企業, 空港 — 2023年11月7日 23:57 JST

ANA系avatarinと中部空港、遠隔操作ロボットで案内業務の実証実験

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 ANAホールディングス(ANAHD、9202)が出資するavatarin(アバターイン、東京・中央区)と中部空港(セントレア)を運営する中部国際空港会社は11月7日、空港内での案内業務の実証実験を実施すると発表した。アバター(遠隔操作ロボット)を使うことで、広い空港内でのスタッフの移動時間の軽減などの効率化や省人化を目指すとともに、遠隔地にいる人が遠隔操作ロボットを活用して案内業務が可能かなどを検証する。

中部空港で始まるavatarinの遠隔操作ロボット「newme」を使った実証実験(同社提供)

中部空港で始まるavatarinの遠隔操作ロボット「newme」を使った実証実験(同社提供)

 実証実験では、avatarinの遠隔操作ロボット「newme(ニューミー)」を使用。中部空港で案内業務に従事しているスタッフがnewmeを操作するケースと、未経験のスタッフが扱うケースを設定し、いずれもオフィスからnewmeを遠隔操作して案内業務ができるかを検証する。

 最初は1人のスタッフが1台のnewmeを操作するケースからスタートし、2人で3台を扱うケースも検証する。11月8日から12月15日までの期間中、毎週水曜から金曜までの3日間実施する。

 newmeの設置場所は空港内3カ所で、アクセスプラザ案内所、フライト・オブ・ドリームズ案内所、第2ターミナル到着ロビー案内所。newmeの操作は空港内のオフィスと都内にあるavatarinのオフィスから行い、空港内は中部空港のスタッフが、avatarinのオフィスではANAビジネスソリューションのスタッフが操作し、案内業務に就く。

 案内業務など空港で必要とされるスキルを持つ人が、全国どこからでも必要な時に就労できる環境を整えることで、航空業界で予想される人手不足の解消につなげる。

 今回の実証実験は、avatarinが愛知県から今年度に受託した「2023年度あいちデジタルアイランドプロジェクト」の下で実施。2030年に世の中での普及が見込まれる近未来の事業やサービスを、中部空港島や周辺地域で先行して実用化を目指す。

関連リンク
あいちデジタルアイランドプロジェクト(avatarin)
avatarin
中部国際空港

ANA系avatarin、5Gで遠隔健康観察や展示会参加 宮崎と愛知で実証実験(23年2月10日)
ANA系avatarinとJAXA、東京から種子島宇宙科学技術館をリモート見学 小学生が遠隔操作ロボ操作(22年9月4日)
ANA系avatarin、遠隔操作ロボnewmeで”瞬間移動” 大分で新型量産化(21年7月16日)
ANA、アバター事業会社「avatarin」設立(20年4月2日)
ANAHD、遠隔交流アバター「newme」 片野坂社長「加速度的に増える」(19年10月16日)
ANA、アバター事業始動 遠隔操作で接客、釣りや素潜り体験も(18年4月9日)