エアバス, エアライン, 機体, 空港 — 2023年10月20日 23:06 JST

ANAのA380、オレンジ3号機就航　日本到着から2年、3機出そろう

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　全日本空輸（ANA/NH）は10月20日、総2階建ての超大型機エアバスA380型機「FLYING HONU（フライング・ホヌ）」の3号機（登録記号JA383A）を成田－ホノルル線に就航させた。最終号機の3号機が成田に到着したのは2年前の2021年10月16日。3号機の定期便投入は初めてで、3機すべてが出そろった。

＊ホノルル到着の様子はこちら。

A380 3号機初便となったホノルル行きNH182便をペンライトで見送るANAのスタッフ＝23年10月20日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
・「目元くっきりのデザイン楽しんで」
・表情異なる3機

「目元くっきりのデザイン楽しんで」

　3号機の初便となったのは1日2往復運航する成田－ホノルル線のうち、2便目のNH182/181便。運航スケジュールは、ホノルル行きNH182便が成田を午後9時30分に出発し、午前10時5分に着く。成田行きNH181便は午後1時にホノルルを出発し、翌日午後4時15分に到着する。

　同機は就航を約1カ月後に控えた9月28日未明に外観を洗浄し、就航前日の10月19日には機内を清掃。就航への準備を整えた。NH182便が出発した45番搭乗口付近で就航記念式典を開き、ANA成田空港支店の岡功士支店長が「機体洗浄や機内清掃など、社員一丸で仕上げた。目元くっきりのかわいいデザインを楽しんで」とあいさつ。式典にはウミガメをモチーフにしたラニ（青）、カイ（グリーン）、ラー（オレンジ）のオリジナルキャラクター3体も駆けつけ、利用客との記念撮影に応じた。

　利用客には就航記念のグッズを配ったほか、教師がANAファンという都立六郷工科高校の生徒が製作した3号機の「ねぶた」も展示し、就航に華を添えた。機内では就航記念クッキーもプレゼントする。

　20日のNH182便は320人（うち幼児8人）が利用。午後9時24分に成田空港の45番スポット（駐機場）を出発し、ホノルルへ向かった。出発時はスタッフ約70人が横断幕やペンライトで見送った。

ANAのスタッフがペンライトで見送るA380 3号機初便となったホノルル行きNH182便＝23年10月20日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

表情異なる3機

　ANAのA380は、全3機が成田－ホノルル線の専用機材。全機にハワイの空と海、夕陽をイメージした特別塗装を施し、初号機（JA381A）が青（ANAブルー）、2号機（JA382A）が深緑（エメラルドグリーン）、今回就航した3号機がオレンジ（サンセットオレンジ）と、1機ごとにカラーリングが異なる。表情も1機ずつ異なり、正面を見る初号機、ほほ笑む2号機、まつげを描いた3号機となった。

　座席数は4クラス520席で、ファーストクラスが8席、ビジネスクラスが56席、プレミアムエコノミーが73席、エコノミーが383席。アッパーデッキ（2階席）にファーストとビジネス、プレミアムエコノミーを配し、メインデッキ（1階席）はすべてエコノミーで、後方には日本の航空会社では初となるカウチシートを導入した。

　初号機は2019年5月24日、2号機が同年6月18日に就航。3号機は新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の影響下の2021年10月13日に正式受領し、成田には同月16日に到着したものの、一度も商業運航に投入されずに2年間が過ぎた。ANAを傘下に持つANAホールディングス（ANAHD、9202）の芝田浩二社長は今年4月、3号機の就航時期について、ハワイ路線の需要動向によっては今年度内に投入する可能性を示唆していた。

　12月6日からは1日2往復（週14往復）の成田－ホノルル線全便にA380を投入。岡支店長によると、羽田を含めた東京－ホノルル間は需要が回復傾向にあり、10-11月はコロナ前の40％減程度の戻りだったが、夏休みと年末年始は10％減まで回復したという。訪日需要は好調なものの、円安や燃油高、現地の物価高などで日本人の海外旅行需要の回復が遅れている中、A380の完全稼働を呼び水に国際線需要を喚起し、コロナ後の再始動を本格化させる。