ブラジルのエンブラエルは現地時間10月19日、ポルトガル空軍(FAP)の空中給油・輸送機KC-390「ミレニアム」初号機がベジャ空軍基地で就役したと発表した。ブラジル国外での就役は初めてで、同軍は5機の導入を計画している。
ポルトガル空軍向けの初号機は、ポルトガル航空局(AAN)が定めた要件を満たしており、NATO(北大西洋条約機構)仕様機としての標準装備もすでに組み込まれている。エンブラエルは2019年にKC-390に関する契約を受注し、就役式典は16日にブラジルのガビアン・ペイショトにあるエンブラエルの工場で行われた。
KC-390は、リージョナルジェット機世界最大手のエンブラエルが開発した双発の中型空中給油・輸送機で、2015年2月3日に初飛行。最大ペイロードは26トン、航続距離は26トン搭載時が2000キロ(1080海里)、フェリー時が6241キロ(3370海里)、最高巡航速度はマッハ0.80(470ノット)で、貨物や物資、部隊の輸送、捜索救助など、多目的に運用できる。輸送機であるC-390が基本型となるものの、ブラジルが発注した22機はすべてKC-390となり、ポルトガルも全5機がKC-390となる。
KC-390は戦闘機などに給油できるほか、翼下ポッドを使い別のKC-390にも給油できる。
また、ポルトガルの航空宇宙企業OGMAがKC-390の中胴などの製造を担っている。1918年創業の同社は2004年に民営化され、現在はエンブラエルのグループ企業となっており、C-390ファミリーの製造のほか、欧州市場のエンブラエル機のMRO(整備・修理・分解点検)などの分野で重要な役割を果たしている。
関連リンク
Portuguese Air Force
Embraer Defense & Security
OGMA
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