エアライン — 2023年10月19日 06:38 JST

ANA、洋食メニューにトマトムースと鮎提案 機内食レシピコンテスト

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 全日本空輸(ANA/NH)グループで機内食を手掛けるANAケータリングサービス(ANAC)は10月18日、従業員がメニューを考案・開発する「第9回レシピコンテスト」を羽田空港近くの川崎工場で開催した。全4部門のうち洋食と製パン部門が開かれ、ファイナリストに選ばれた10人が自信作を提案。洋食部門は成田工場の古川隆浩さん、製パン部門は羽田工場の福井理恵さんが最優秀賞に選ばれ、2024年度に機内食や空港ラウンジのメニューとして提供を予定している。

ANAケータリングサービスの第9回レシピコンテストで最優秀賞を受賞した洋食部門の古川隆浩さん(左)と製パン部門の福井理恵さん=23年10月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 レシピコンテストは、調理技術の向上や人材育成などを目的として2014年度にスタート。コロナ影響で中止となった2021年度を除き毎年開いており、今年度は洋食が42作品の応募の中から6作品、製パンは6作品の中から4作品の2部門合わせて10作品が最終選考に進んだ。

 評価は「味覚」「見栄え」「独創性」「総合」の4つと、メニューを開発した出場者の「説明」を加えた5項目計100点満点で判断し、おいしさを評価する味覚は30点満点、説明は10点満点、そのほかの項目は20点満点ずつで審査した。

ANAケータリングサービスが開いた第9回レシピコンテスト洋食部門最優秀賞を受賞した古川隆浩さんの「トマトのムース 鮎と茄子のタルタル ルッコラソースと鮎肝のタプナード」=23年10月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 洋食部門はアペタイザー(前菜)のオリジナル創作料理で、機内食としての提供を想定した予算以外の要求項目はなく、自由な発想によるメニュー提案を求めた。

 最優秀賞を獲得した古川さんは、夏をテーマにメニューを考案。うまみを凝縮したトマトムースと、トマトと同じ9月ごろに子持ちとなるアユを使った「トマトのムース 鮎と茄子のタルタル ルッコラソースと鮎肝のタプナード」を提案した。「トマトのムースを食べていただきたかったのと、洋食ではなかなか使われないアユを組み合わせてみました」と説明した。

ANAケータリングサービスが開いた第9回レシピコンテスト製パン部門最優秀賞を受賞した福井理恵さんの「トリプルショコラ」=23年10月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 製パン部門は、ANACオリジナルのチョコレート3種(ミルク・ダーク・ホワイト)を使ったパン作りがテーマ。最優秀賞の福井さんは、幼いころからチョコレートが大好きだったといい、オリジナルショコラの味を前面に出した「トリプルショコラ」を提案。オリジナルショコラとチョコチップ、ココアパウダーなどを練り込んだショコラフィリングを包み込んで焼き上げた。

 審査を終えたANACの石田洋平社長は「非常に力作が多く悩んだ。洋食部門のオードブルは最初に出てくるので、(コース料理の)第一印象をいかに良くするかが非常に大事。お客さまにワクワクして頂けたら最高だと思う。製パン部門も非常に創意工夫を重ねていて、チョコレートをうまく活用していた。現在ラウンジで提供しているバゲットショコラが好評なので“あれがあるからANAラウンジに行きたい”とお客さまに言っていただけるような、定番メニューになるぐらいのものでいいのではないか」と感想を述べた。

第9回レシピコンテストの表彰式で講評を述べる石田洋平社長(右)=23年10月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 洋食のグランプリとなった古川さんは、トマトのムースを食べて欲しいとメニューを考案する中で、アユを組み合わせることを思いついた。「同じ季節のもので、アユが泳いでいるイメージで仕上げました」(古川さん)と、季節を感じられることを重視。今後メニューを考える時も季節感にこだわり、洋食ではあまり使われていない冬の食材にスポットライトを当ててみたいという。

 製パンの福井さんは、子供のころからチョコレートが大好きだったという。ANACに入社した際は保税など事務系の仕事に携わっていたが、6年ほど前に製パン部門のシェフの社内公募が出た際に応募し、そこからパン作りの道に入った。

 「最初は道具も触らせてもらえませんでした」(福井さん)と、経験を重ねて徐々に任される仕事が増えていった。今回はラウンジで提供することを念頭にメニュー提案を求められたが、機内で提供しているパンとの親和性と、チョコレートの魅力を引き出すことを重視。「チョコレートだけを使いたかったです」と、素材となるオリジナルチョコのおいしさを前面に出すことにこだわった。

 4部門に分けて開催しているレシピコンテストは今後、和食と製菓部門の本選を今年度内に開催する予定。これまでは最優秀賞のうち1部門のレシピが機内食で取り上げられたが、今回は4部門すべてが機内やラウンジで提供を予定している。

*写真は12枚。

ANAケータリングサービスが開いた第9回レシピコンテスト洋食部門最優秀賞を受賞した古川隆浩さんの「トマトのムース 鮎と茄子のタルタル ルッコラソースと鮎肝のタプナード」=23年10月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAケータリングサービスが開いた第9回レシピコンテストの洋食部門の出場作品=23年10月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAケータリングサービスが開いた第9回レシピコンテスト製パン部門最優秀賞を受賞した福井理恵さんの「トリプルショコラ」=23年10月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAケータリングサービスが開いた第9回レシピコンテストの洋食部門で作品を説明する古川隆浩さん=23年10月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAケータリングサービスが開いた第9回レシピコンテスト=23年10月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAケータリングサービスが開いた第9回レシピコンテストで石田洋平社長(右)から賞状を贈られる洋食部門の古川隆浩さん=23年10月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAケータリングサービスが開いた第9回レシピコンテストで石田洋平社長(右)から賞状を贈られた製パン部門の福井理恵さん=23年10月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAケータリングサービスが開いた第9回レシピコンテストの出場者と審査員=23年10月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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