チェコ国防省は現地時間10月17日、エンブラエルと次期中型輸送機としてC-390「ミレニアム」の選定に向けた交渉を始めたと発表した。2機導入する意向で、防衛・医療搬送などの分野で運用する。
同省によると、C-390の導入が実現すると現在は同盟国に頼らざるを得ない物資や重装備、人員の空輸能力が向上する。チェコ軍は、航続距離が12時間クラスで未舗装の滑走路に離着陸可能な中長距離機を保有していないためで、C-390の導入により航空輸送、空襲作戦、空中補給、医療避難、人道支援、空対空給油、消火活動などの任務を遂行できるようになる。
C-390は、リージョナルジェット機世界最大手であるブラジルのエンブラエルが開発した双発の中型輸送機で、2015年2月3日に初飛行。最大ペイロードは26トン、航続距離は26トン搭載時が2000キロ(1080海里)、フェリー時が6241キロ(3370海里)、最高巡航速度はマッハ0.80(470ノット)で、貨物や物資、部隊の輸送、捜索救助など、多目的に運用できる。
今回の契約が成立した場合、チェコはブラジル、ポルトガル、ハンガリー、オランダ、オーストリアに続いて6カ国目、NATO(北大西洋条約機構)加盟国としては4番目のC-390導入国となる。オーストリアは9月に選定した。
関連リンク
Ministerstvo obrany a Armáda České republiky
Embraer Defense & Security
・オーストリア、新輸送機にC-390選定 C-130後継(23年9月21日)