10月の3連休初日に開催された航空自衛隊小松基地の航空祭。4年ぶりに入場制限のない通常開催となり、基地によると約5万人が来場した。基地所属のF-15戦闘機による飛行展示をはじめ、さまざまなイベントが開かれる中、自衛隊との共用空港とあって格納庫には航空会社なども出店していた。
日本航空(JAL/JL、9201)の100%子会社で、小松空港のハンドリング業務を担うJALスカイ金沢も昨年に続き出店し、グランドスタッフ(地上旅客係員)が中心となって考えたステッカーやTシャツ、バッグなどのオリジナルグッズを販売。中には開店からすぐに完売したものもあったという。
グッズをデザインしたグランドスタッフの天野さんによると、今年は歌舞伎をモチーフにしたものも用意したという。小松市西部の港町、安宅には歌舞伎「勧進帳」の舞台となった「安宅の関」があることから、市では「歌舞伎のまちこまつ」としてコロナ前からPRしている。
地元・石川県の伝統工芸「加賀水引」をモチーフにしたステッカーや、空港の滑走路をイメージしたバッグなどをデザインしてきた天野さんは、新作について「訪日客向けに漢字の入った歌舞伎調のデザインにしました」と説明する。昨年も販売した水引をモチーフにしたステッカーをデザインした際も、歌舞伎で使われる書体「勘亭流」を用いた案を考えていたといい、訪日外国人が戻ってくるタイミングで商品化した。
また、グランドスタッフにとって、空港コードと言えばIATA(国際航空運送協会)が定める3文字の「3レター」が一般的だが、パイロットや自衛隊などではICAO(国際民間航空機関)の「4レター」が使われる。小松の場合、3レターが「KMQ」、4レターが「RJNK」であることから、今年は4レターのステッカーを新たに制作した。
例年販売しているTシャツも、今年はコロナ前と同様に家族連れの来場が予想されたことから、子供向けのサイズも用意。社内でミーティングを開いた際、航空祭の客層を考えていく中で決まったという。
航空祭の企画には、昨年10月に新卒で入社したグランドスタッフの松浦さんも参加。高校、大学と北陸で過ごし、帰省で小松空港を利用していたことからJALスカイ金沢に入社したといい、「グランドスタッフがグッズをデザインしていることも知っていたので、自分でもやってみたいと入社しました」と話す。「最近は外国からのお客さまも増えていますね」と、小松空港で歌舞伎を推していく時期が来たようだ。
基地を出て空港に戻ると、JALのカウンターにはハロウィンの大きなカボチャが置かれていたが白塗りだ。表側は歌舞伎役者のような表情、裏側はオレンジ色のハロウィン仕様と、インパクトのある飾り付けになった。
小松空港周辺の観光地というと、兼六園や金沢城など金沢市内に目が行きがちだが、JALスカイ金沢では小松市内のスポットもアピールしていきたいという。
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