ニデック(旧日本電産、6594)とブラジルのエンブラエルは10月6日、両社の合弁会社「Nidec Aerospace(ニデック・エアロスペース)」が規制当局の承認を得て操業を開始したと発表した。航空宇宙分野向け電機駆動システム(EPS)の開発を進め、エンブラエル系のeVTOL(電動垂直離着陸機)が最初の販売先になる。
Nidec Aerospaceの設立は、今年6月のパリ航空ショーで発表。出資比率はニデックの米子会社ニデックモータ(NMC)が51%、エンブラエルが49%で、2026年までに7700万米ドル以上を投資し、同年から量産を始める見通し。CEO(最高経営責任者)には、Nidecが米国に本部を置くモーション&エナジー事業本部モーション&ドライブ部門のヴィンセント・ブラリー氏が就任した。
エンブラエルは世界3位の航空機メーカーで、リージョナルジェット機では首位。合弁事業では、エンブラエルがeVTOLの制御技術に関する専門知識やノウハウなどを、ニデックが電動モーターに関する専門知識や技術的なノウハウなどをそれぞれ提供し、宇宙航空産業向け電機駆動システムを開発する。
最初の販売先となるローンチカスタマーは、エンブラエル系のEve Air Mobility(イブ・アーバン・エア・モビリティ)で、同社のeVTOLに合弁会社の電機駆動システムを搭載する。
eVTOLは「空飛ぶクルマ」や「UAM(Urban Air Mobility)」などとも呼ばれている。
関連リンク
ニデック
Nidec Motors
Embraer
Eve Air Mobility
・ニデックとエンブラエル、“空飛ぶクルマ”モーターで合弁 Eveに搭載(23年6月19日)
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