米海軍は、早期警戒機E-2D「アドバンストホークアイ」のコックピットとコンピューティング・アーキテクチャをDSSC-6(デルタ・システム・ソフトウェア・コンフィギュレーション6)へ改修する契約を開発製造元のノースロップ・グラマンと締結した。2028年までの契約で、米海軍によると実戦配備は2029年に始まる見通し。
DSSCは、2-3年間隔で実施されるE-2Dのソフトウェアとハードウェアのアップグレードで、DSSC-6は第6弾。今回の改修は、コックピットが対象となる「ホークアイ・コックピット・テクノロジー・リフレッシュ」と敵味方識別システム「シアター・コンバットID」が含まれる。オープン・ミッション・システム・アーキテクチャーを採用し、さまざまな新機能を追加できるようにする。
米海軍は、2029年から2030年代にかけて保有する全94機を最新のコックピットや航法技術、ミッションシステムに改修する計画を進める。
E-2Dのプロジェクトは2003年8月にスタートし、実証機「デルタワン」が2007年8月3日に初飛行。ノースロップ・グラマンはE-2Dを「デジタル・クォーターバック」と評し、防空・ミサイル防衛の要として空母打撃群を脅威から守り、作戦遂行を支援する。
グラスコックピットを採用し、レーダーはE-2Cに搭載されていたAN/APS-145からAN/APY-9に変更。空と海の360度同時監視が可能で、高度な敵味方識別システムや新型ミッション・コンピューター、戦術ワークステーションなどを搭載し、データ通信も光ファイバーを採用して近代化された。エンジンはアリソン(現ロールス・ロイス)製T56-A-427Aを2基搭載している。
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Northrop Grumman
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