エアライン — 2023年10月1日 17:56 JST

ANA、24年度入社の内定式　井上社長「どうせやるなら明るく楽しく」

By Tadayuki YOSHIKAWA

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　全日本空輸（ANA/NH）は10月1日、2024年度に入社する新入社員の内定式を東京ビッグサイトで開いた。1日は企業の採用内定解禁日で、内定者624人のうち602人が出席した。

ANAの内定式で井上慎一社長から内定通知書を手渡される内定者＝23年10月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの内定式であいさつする井上慎一社長＝23年10月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　新卒者を主な対象にしたビッグサイトでの内定式は、2019年度入社の新入社員を対象にした2018年以来5年ぶり。客室乗務員は4年ぶりの出席となった。

　内定者の職種は、旧総合職の「グローバルスタッフ職」と自社養成パイロット訓練生の「運航乗務職」、客室乗務員の「客室乗務職」、障がい者採用の「エキスパートスタッフ職」で客室乗務員がもっとも多く、内定者の7割弱となる約420人となった。内定者たちは会場で配られた色紙に、入社にあたっての意気込みをしたためていた。

　ANAの井上慎一社長は「世界に勝ちにいく機会が来た。社員にいつも言っているが、どうせやるなら明るく楽しく。暗い顔でやってもうまくいかない。ぜひ仲間に加わって欲しい」と内定者を激励した。

ANAの24年度入社内定式に出席したグローバルスタッフ職の宇田翔馬さん（左）と客室乗務職の料冶葵さん＝23年10月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　グローバルスタッフ職の宇田翔馬さん（24）は、現在は大学院の修士課程に在籍。「2年前に大学を卒業した時はANAが採用を停止していたのですが、幼いころから飛行機を利用していて旅のワクワク感が忘れられず、一人でも多くの人に感じて欲しいという思いが（ANAを志望し続ける）モチベーションになりました」と話した。

　客室乗務職の料冶葵さん（22）は、小学生のころから客室乗務員になりたかったといい、学生時代に学校の先生から「世界が小さいと感じるのは、飛行機があるからだよ」と言われ、航空業界に進むことを強く誓い、コロナの影響があっても初志貫徹した。

　ANA便に乗った際、料冶さんのスマートフォンに貼ってあるANA機のシールをきっかけに会話が生まれ、自らの夢を話した客室乗務員から「数年後、一緒に働けていたらいいですね」とメッセージカードをもらい感激したことも、ANAを志望し続けることを後押しした。「人を元気にする客室乗務員になりたいです」と、今度は料冶さんが誰かの背中を押す立場になった。

　内定式後、井上社長は「ほかにも選択肢がある中で来てくれたことに（内定者の）秘めたるパッションを感じた。これからの航空業界はコロナ前とはまったく違う。競争環境も変わってきており、新しい事象にスピーディーに対応していかなければならない。その時に必要なのは若い人の力だが、ただ若いだけではなく、世代を超えて思いを一つにする必要がある。それができるみなさんが来てくれた」と期待を寄せた。

＊写真は22枚。