日本航空(JAL/JL、9201)は、長距離国際線機材のボーイング777-300ER型機を、羽田-福岡線に冬ダイヤ初日10月29日から1日1往復投入する。国内線ファーストクラス、クラスJ、普通席の3クラスで販売する。
冬ダイヤの羽田-福岡線は1日17往復で、777-300ERは羽田午前7時5分発JL305便と、福岡午前10時10分発のJL308便に投入。国際線運航時の座席数は4クラス244席で、ファースト8席、ビジネス49席、プレミアムエコノミー40席、エコノミー147席だが、国内線ではファーストを国内線ファーストクラス、ビジネスをクラスJ、プレエコとエコノミーを普通席として販売する。国内線機材で運航する便と異なるのはシートのみで、機内サービスの変更はない。
これまでも777-300ERは、国内線の成田-伊丹線や羽田-中部線などに入っていたが、ファーストクラスはクラスJ席として扱われることはあっても、国内線ファーストとしての販売はなかったとみられる。
777-300ERは、現時点でJALの国際線フラッグシップで、10月2日には後継となるエアバスA350-1000型機の就航日やサービス内容などが発表される。1路線目の羽田-ニューヨーク線には冬ダイヤ期間に就航する見通しで、777-300ERは置き換えに向けた準備が本格化していく。
JALの777-300ERは、2004年7月1日に初号機(登録記号JA731J)が長距離国際線機材として就航。2013年1月9日からは現在の客室仕様である「SKY SUITE 777(スカイスイート777)」の運航を始めた。13機目となる改修最終号機(JA741J)は2014年7月26日に就航し、2019年8月からはファーストクラス以外のシートカバーを新デザインに刷新するなど、同年9月に就航したA350-900と連続性のあるインテリアにリニューアルしている。
スカイスイート777仕様のファーストクラスは、シート名が「JALスイート」。配列は1-2-1で、ベッド長は約199.4センチ、ベッド幅は最大約84センチ。世界最大級(就航当時)のベッドサイズで、木目調のデザインに一新し、個人モニターも19インチから23インチに大型化した。
ビジネスのシート名は「スカイスイート」。配列は2-3-2で、ベッド長は最大約188センチ、ベッド幅は最大約65センチ、ベッド時の足もと幅は約53センチ。シート配置を少しずらすことで全席から通路へアクセスできる構造を採用した。水平型完全フルフラットシートの導入により足もとまで広いベッドと、個室に近い構造でファーストクラス並みの居住性を実現した。
JALは777-300ERを13機保有しており、同数のA350-1000で置き換える。今年度(23年度)は2機受領し、現在の中期経営計画の最終年度となる2025年度末には9機体制を構築。2028年度ごろまでに残り4機を受領する見通しで、777-300ERを順次退役させる。
運航スケジュール
JL305 羽田(07:05)→福岡(09:00)
JL308 福岡(10:10)→羽田(11:40)
関連リンク
日本航空
写真特集・JAL 777-300ER機内デザイン刷新
(1)黒を基調としたビジネスクラス
(2)ワインレッドと黒のプレエコ
(3)エコノミーはA350と同じグレー系
(4)シックな壁面やウォシュレット完備の化粧室
機内の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・JAL 777-300ER 新インテリア初号機の機内(JA738J)
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