和歌山県の南紀白浜空港で、日本航空(JAL/JL、9201)と空港を運営する南紀白浜エアポート、日立製作所(6501)の3社が実施している保安検査に人工知能(AI)を活用する実証実験に、同空港の保安検査業務を手掛ける警備会社セノン(東京・新宿区)が8月から加わった。
実証実験は、手荷物検査のX線検査装置を活用した保安業務が主な対象。 これまでの技術検証や、持ち込み制限品に関する最新情報や他空港での知見をAIに学習させるだけでなく、セノンの検査員の目線でより使いやすく、ストレスのない検査を支援するアプリケーションの実現を目指す。
AIと検査員が協働する仕組みを構築することで、空港の保安検査業務の高度化や、検査の待ち時間短縮を進め、 検査員の業務量を約20%削減を目指す。
10月からは、複数のX線検査装置の画像を1画面で検査できる集中監視機能を導入予定。「X線検査判定支援ソフトウェア」の新機能で、1人の検査員で検査できるレーン数が、1レーンから複数レーンに増やせるかの検証も実施する。
南紀白浜エアポートと日立の2社は、2021年8月から保安検査にAIを導入し、実用化に向けた実証実験を開始。2022年3月からはJALが加わり、他空港で蓄積した危険物検知などのノウハウを共有し、AIの精度向上を進めてきた。AIと集中監視機能の組み合わせで、将来的な保安検査業務の効率化を目指す。
関連リンク
日本航空
南紀白浜空港
日立製作所
セノン
X線検査判定支援ソフトウェア(日立ソリューションズ)
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