エアライン — 2023年8月17日 23:30 JST

ANA、野菜の味しっかり精進料理 醍醐「ヴィーガンカレー」9月からファーストとビジネス軽食

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 全日本空輸(ANA/NH)は8月17日、ミシュラン二つ星を獲得している「精進料理 醍醐」(東京・愛宕)の野村祐介料理長が監修した動物性食材や小麦粉を使わない「ヴィーガンカレー」を報道関係者に公開した。国際線ファーストクラスとビジネスクラスの一部で軽食メニューとして9月1日から提供する。

ANAが国際線ファーストクラスとビジネスクラスで提供する精進料理 醍醐のヴィーガンカレーを手にする客室乗務員=23年8月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAが国際線ファーストクラスとビジネスクラスで提供する精進料理 醍醐のヴィーガンカレー=23年8月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 商品名は「果実とスパイス香る ヴィーガンカレー」。国産野菜と果実で作り、動物性食材や化学調味料、保存料、精製糖、小麦粉は不使用で、ヴィーガン(完全菜食主義者)やグルテンフリーの乗客も食べられるようにした。

 ヴィーガンカレーは、9月1日からファーストクラスは日本発着の米国路線、ビジネスクラスはニューヨーク、シカゴ、ワシントンD.C.、ヒューストン、バンコク、ジャカルタ、クアラルンプール発の日本行きで提供する。

精進料理 醍醐の店内でヴィーガンカレーを紹介する野村祐介料理長(左)とANAの客室乗務員=23年8月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 今回のカレーは、ANAの機内食専用品として新たに開発されたものではなく、醍醐がレトルトカレーとして1つ1350円(税込)で販売しているものが、機内食として提供できることから採用。これまでANAが機内で提供してきたカレーとは異なり、個包装のレトルトカレーであることから、現地の農産物規制などで搭載した食材を乗客へ提供せずに廃棄せざるを得ない「フードロス」も低減できることもあり採用した。

 野村料理長は「精進料理の精神をくんだヴィーガンカレーだが、ヴィーガンだからこのくらいで仕方ないかな、という(味に妥協した)ものにはしたくなかった。グルテンフリーやノンシュガー、ノンケミカルといったものになるが、これらはおまけ。おいしいか、おいしくないか、で勝負したい」と語った。記者も試食してみたが、野菜カレーのイメージとは違い、しっかりした味のカレーで、私を含めてヴィーガンではなく濃い味を好む人が食べても、満足できると感じる味付けだった。

 機内食の制約は、結果としてクリアできたという野村料理長は「野菜の旨みをものすごく意識した」といい、良質な野菜を材料にすることで、非ヴィーガン食ともいえる通常のカレーと伍するしっかりした味を実現できたという。

精進料理 醍醐の店内でヴィーガンカレーを手にするANAの客室乗務員=23年8月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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