エアライン, 空港 — 2023年8月2日 13:33 JST

ANA新ブランドAirJapan、成田-バンコク24年2月就航 最安片道1.5万円

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 ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のエアージャパン(AJX/NQ)は8月2日、新ブランド「AirJapan」の1路線目となる成田-バンコク(スワンナプーム)線を2024年2月9日に週6往復で開設すると発表した。航空券の販売も2日から始めた。運賃は片道1万5500円から設定し、機内食は日本食を中心に13種類用意した。東南アジアからの訪日需要をメインターゲットに展開していく。

新ブランド「AirJapan」の1路線目となる成田-バンコク線の就航日を発表するエアージャパンの峯口秀喜社長(左)=23年8月2日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

AirJapanの787-8のモデルプレーン=23年3月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 AirJapanは、FSC(フルサービス航空会社)の全日本空輸(ANA/NH)、LCC(低コスト航空会社)のピーチ・アビエーション(APJ/MM)に続くANAグループ第3のブランドで、「ハイブリッドエアライン」と位置づける。東南アジアを中心とした海外発需要を今後の成長領域とし、ANAやピーチとは異なる市場をターゲットにしていくという。

 エアージャパンの峯口秀喜社長は「我々の主なターゲットは、今後も増加が予想されるインバウンド。とりわけアジアからのインバウンドをターゲットにしている。タイは非常に親日国であり、経済成長も今後期待される」と就航地として選定した経緯を語った。訪日客と日本人客の割合は、7対3を想定しているという。

 成田-バンコク線の運航日は、成田発が月曜と水曜、木曜、金曜、土曜、日曜で、バンコク発が月曜と火曜、木曜、金曜、土曜、日曜で週6往復。運航スケジュールは、バンコク行きNQ1便が成田を午後5時55分に出発し、午後11時15分に着く。成田行きNQ2便は午前0時15分にバンコクを出発して、午前8時10分に到着する。成田の発着ターミナルは、ANA便と同じ第1ターミナルを使用し、グループで国際線と国際線を乗り継ぐ「際際乗り継ぎ」需要の取り込みも図る。

 運賃は有料オプションを含まない「シンプル」、1500円までの事前座席指定と預入手荷物23キロまでが1個のオプション2種類が含まれる「スタンダード」、3000円までの事前座席指定と預入手荷物23キロまでが2個、一部を除く機内食のオプション3種類が含まれる「セレクテッド」の3種類を設定。成田-バンコク線の片道運賃は、シンプルが1万5500円から、スタンダードが1万9200円から、セレクテッドが2万3800円から。2歳以上6歳以下の小児運賃は、シンプルが8000円、スタンダードが10590円、セレクテッドが1万5300円。燃油サーチャージは徴収しない。

 峯口社長は「(機内持ち込みの)手荷物が1人7キロまで。食事もいらないよ、手荷物一つだよ、という方は1万5500円からバンコクにご旅行いただくことが可能だ」と語った。

AirJapanのシートと客室乗務員=23年3月9日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 機材はボーイング787-8型機で、ANAが現在運航している機体を改修。座席数はエコノミークラスのみの1クラス324席とした。シートピッチは海外のFSC(フルサービス航空会社)のエコノミークラスと同等となる32インチ(約81センチ)とし、東南アジアのLCCで主流の28-29インチより広くした。ANAの国際線用787は34インチ、国内線用は31インチで、グループ内では中間のピッチとなる。

 改修初号機は、2012年8月に引き渡された機体(登録記号JA803A)となる見通し。2025年度までに6機をそろえる。

 また、エアージャパンはANAの国際線のうち、アジア・リゾート路線を担っており、ANAブランド便とAirJapanブランド便の両方を運航することになる。このため、客室乗務員もANAとAirJapanの制服を乗務に応じて着用することになる。

運航スケジュール(24年2月9日から24年3月30日)
NQ1 成田(17:55)→バンコク(23:15)運航日:月水木金土日
NQ2 バンコク(00:15)→成田(08:10)運航日:月火木金土日

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