国土交通省は11月5日、2014年春に増枠される羽田空港国際線の発着枠について、配分の見直しを求めていた日本航空(JAL、9201)に対し、見直さないとする考えを田村明比古・航空局長名の文書で示した。
来春増枠されるのは、羽田の午前6時から午後11時までの昼間発着枠。国交省は全日本空輸(ANA)を傘下に持つANAホールディングス(9202)に11枠、JALに5枠と従来の均等配分ではなく傾斜配分とした。これを受けてJALは、傾斜配分に至った経緯説明と議事録など文書の提出、内容の是正を国交省に求めていた。
配分の考え方について国交省は、JALの再生過程において講じられた公的支援などの結果、ANAをはじめとする他の航空会社との間に大きな体力差が生じ、競争環境に不適切な歪みが生じてきていると指摘。このままJALが新規投資や路線開設などを行うと、健全な競争環境を維持できないとの考えを示した。
また、羽田の発着枠については、「国土交通大臣が航空法の趣旨に基づいて広範な裁量権を有しているもの」とし、国交相の裁量如何で配分が決まる性質のものだと明記した。
発着枠の配分方法については、既存の発着枠を回収するのではなく、新規に追加配分することが企業経営を極力阻害しない方法だとした。
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国土交通省
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