エアバスは現地時間7月10日、仏トゥールーズにA320ファミリーの最終組立ラインを新設したと発表した。2021年に生産完了となった総2階建ての超大型機A380の組立施設を改装したもので、新ラインはA320系列で胴体が最長のA321に対応しており、受注残の約6割を占めるA321の需要増に対応し、2026年にエアバス全体で月産75機到達につなげる。
完成した最終組立ラインは、旧A380「ジャン・リュック・ラガルデール」組立棟に設置。2022年末に最初の胴体部分が到着し、初期稼働がスタートした。最初の最終組立が行われるのはA321で、年末までにロールアウトする見通し。2025年までに順次拡大し、約700人の従業員を直接雇用する予定だという。
新ラインには、紙の消費量を削減するためタブレットやスマートフォンを活用したデジタル生産管理や、部品配送のための自動化されたロジスティクス、セクション接合用の軽量ロボットなど、さまざまな新技術を導入。品質向上や効率改善につなげる。
エアバスの最終組立工場はトゥールーズと独ハンブルク、米アラバマ州モビール、中国・天津の4カ所。生産ラインはハンブルクが4本でもっとも多く、トゥールーズとモビール、天津は各2本のラインを持つ。
エアバスの6月の受注は902機で、納入は72機だった。奇数年開催のパリ航空ショーで、インドのインディゴ(IGO/6E)がエアバスの契約では過去最多となるA320ファミリー500機を確定発注し、エア・インディア(AIC/AI)が250機(40機のA350、210機のA320neoファミリー)発注したことで、受注が大幅な伸びを示した。
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