防衛省は6月29日、ステルス戦闘機F-35「ライトニングII」のエンジン整備拠点「リージョナル・デポ」の態勢構築が完了し、運用開始が決まったと発表した。30日以降、整備が開始される予定だという。
リージョナル・デポは、IHI(7013)の瑞穂工場(東京・西多摩郡)内にあり、アジア太平洋地域でのF-35のエンジン整備を担う。エンジンの分解・検査などが必要な定期整備や改修、臨時の整備点検などを実施する見通し。
米国政府は、アジア太平洋地域のリージョナル・デポを日本と豪州に設けることを2014年12月に決定した。防衛省は、今回のリージョナル・デポ運用開始について、「我が国のF-35運用支援態勢の確保、国内の防衛産業基盤の維持、日米同盟の強化、アジア太平洋地域における装備協力の深化などの観点から意義あるもの」としている。
F-35は、高いステルス性能や高度な火器管制能力を持つ第5世代戦闘機で、通常離着陸型のF-35A、短距離離陸・垂直着陸型のF-35B、艦載型のF-35Cの3種類がある。日本では航空自衛隊がF-35AとF-35Bを採用している。
F-35
・米空軍、F-35の訓練能力向上 キングスレーフィールドのF-15転換へ(23年5月27日)
・英BAE、F-35のブロック4電子戦システム受注(23年4月16日)
・F-35、次世代AESAレーダーAPG-85開発中 ノースロップ・グラマン製(23年1月13日)
・F-35、米国防総省が最大398機発注 TR-3初搭載へ(22年12月31日)
・PW、F-35向けエンジン1000基目納入(22年9月10日)
・英BAE、F-35の電子戦能力向上(21年12月17日)
・防衛省、STOVL機にF-35B選定 いずもでの運用視野に(19年8月17日)
GCAP
・日英伊の次期戦闘機、英国防省が1千億円超え大規模投資 35年配備へ(23年4月15日)
・次期戦闘機、模型を防衛展示会に出展 幕張メッセDSEI Japan(23年3月17日)
・次期戦闘機、三菱電機がレオナルドなどと協業契約 アビオニクスを共同開発(23年3月16日)
・IHI、次期戦闘機のエンジン参画 日英伊が共同開発(22年12月10日)
・次期戦闘機、日英伊3カ国共同開発 F-2後継35年配備へ、米とは無人機開発(22年12月9日)