スターフライヤー(SFJ/7G、9206)の新機材エアバスA320neoの初号機(登録記号JA28MC)が6月26日午後、本社のある北九州空港へ到着した。7月4日に就航する。乗客から要望が多かったWi-Fiによる機内インターネット接続サービスを無料で提供するほか、大型化した手荷物収納棚などを備えるエアバスの新内装「エアスペース」を、日本の単通路機で初導入する。
*初便の記事はこちら。
A320neoの初号機は、フェリーフライト(回航便)の北九州行き7G9228便として、エアバスの最終組立工場がある仏トゥールーズからUAE(アラブ首長国連邦)、タイを経て北九州へ到着した。トゥールーズを出発したのは現地時間23日午前9時21分で、同40分に離陸。同23日に最初の経由地であるUAEのドバイ近郊にあるアール・マクトゥーム国際空港(ドバイ・ワールド・セントラル国際空港)、25日に2カ所目となるタイのウタパオ国際空港へ到着した。
最後のタイから北九州へのフライトは、ウタパオを26日午前10時3分に出発して同10分に離陸。北九州の滑走路(RWY18)へは午後5時17分に着陸し、同20分に到着してフランスからのフェリーを終えた。北九州到着時に搭乗していたのはパイロット2人と整備士2人、コーディネーターを務めた社員1人の5人だった。
A320neoの座席数は1クラス162席。現行機のA320従来型(A320ceo)は同150席で、12席増えた。7月4日に運航を開始し、初便は北九州を午後4時30分に出発する羽田行き7G86便となる。5日以降は羽田発着の北九州と福岡、関西の3路線に投入し、投入便にはウェブサイトの空席照会の便名に「Wi-Fi」と表示する。
Wi-Fiは英インマルサットが提供するグローバル・エクスプレス(GX)衛星のKaバンドを利用し、無料提供する。スターフライヤーは2006年3月の就航時から全席に個人用モニターを導入しているが、A320neoでは廃止し、無料ネット接続サービスに置き換える。
2種類あるエンジンは、当紙が2022年4月に報じた通りCFMインターナショナル製「LEAP-1A」を選定した。
また、日本の単通路機では初めてエアバスの新客室「エアスペース」を導入。大型化した手荷物収納棚のほか、LED照明や新しい窓の日よけ、抗菌仕様などを採用する。これまで5つのキャリーバッグを収納できた手荷物収納棚は、エアスペースにより最大8つ収納できるようになる。
スターフライヤーは既存のA320の後継機として、新型エンジンを採用したA320neoを導入。最大5機をリース導入し、初号機を今年1月に受領予定だったが、ロシアによるウクライナ侵攻や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、サプライチェーンが世界的に混乱しているため、エアバス側で納入が遅れていた。
*写真は18枚(初便の運航スケジュールは写真下に掲載)。
初便の運航スケジュール
7G86 北九州(16:30)→羽田(18:10)
7G87 羽田(18:50)→北九州(20:30)
関連リンク
A320neo特設ページ(スターフライヤー)
スターフライヤー
Airbus
7/4就航
・スターフライヤー、A320neo就航 国内最速ネット接続を無料提供(23年7月4日)
スターフライヤーのA320neo
・スターフライヤーのA320neo、トゥールーズで初飛行(23年6月7日)
・スターフライヤー、A320neoで無料Wi-Fiサービス 初夏就航へティザーサイト開設(23年3月16日)
・スターフライヤー、A320neoエンジンにLEAP-1A選定 23年受領開始(22年4月21日)
・スターフライヤーのA320neo、23年1月に初号機 機内Wi-Fi搭載、モニター廃止(21年6月29日)
・スターフライヤー、A320neo導入へ 23年から最大5機(20年11月4日)
国内航空会社のA320neo
・国内初採用エンジンLEAP 写真特集・ピーチA320neo初号機(20年10月24日)
・大型機並み装備のビジネスクラス 写真特集・ANA A320neo初号機就航(1)(16年12月27日)
エアスペース
・A320neoでフルフラット実現 伸びる航続距離に新需要、エアバス新内装「Airspace」(18年4月15日)