フランス航空宇宙工業会(GIFAS)の100%子会社SIAEは、現地時間6月19日に開幕する世界最大規模の国際航空宇宙見本市「第54回パリ航空ショー」の出展者が約2500社になると発表した。新型コロナの影響で、4年ぶりの開催となる今回はスタートアップ企業の誘致に力を入れており、世界から300社近い参加が見込まれている。
会期は6月19日から25日までで、パリのル・ブルジェ空港で開催。コロナ影響後初となる今回は、スタートアップ企業専用の展示エリアを設け、地域・国際パビリオンにもスタートアップの出展が目立つ。フランス見本市協会によると、スタートアップの出展は世界21カ国から296社となる見通し。
期間中に開かれるイベントのうち、「パリ・エアラボ(Paris Air Lab)」では、航空輸送の脱炭素化につながるイノベーションに関して大規模展示を予定。日本では「空飛ぶクルマ」と呼ばれるeVTOL(電動垂直離着陸機)関連企業などに焦点を当てる。
eVTOLに特化したイベント「パリ・エアモビリティ (Paris Air Mobility)」も初開催。パリ航空ショーが開かれるル・ブルジェ見本市会場内のホール5を予定しており、各メーカーやスタートアップ企業が製品やサービスを紹介する展示エリアと、次世代エアモビリティ(AAM)市場のカンファレンスプログラムでイベントを構成している。
また、パリ航空ショーには日本からは27社の出展が予定されているという。一般社団法人・日本航空宇宙工業会(SJAC)や、あいち・なごやエアロスペースコンソーシアムパビリオン、東レ(3402)、TANIDA(石川・かほく市)などがブースやシャレーを構え、スタートアップはIDDK(東京・江東区)とNABLA Mobility(東京・千代田区)の2社が出展する。
パリ航空ショーは1909年に初めて開かれ、現在は奇数年の6月に開催。2年前の2021年は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で中止となった。二度の世界大戦を除くと、開催中止は110年を超える歴史で初めてだった。
前回2019年開催の第53回パリ航空ショーは、49カ国から2453社が出展し、商業来場者13万9840人と一般来場者17万6630人の計31万6470人が来場。新型機はエアバスがA321neoの超長距離型「A321XLR」をローンチした。また、開発中止が今年2月7日に正式発表された三菱スペースジェット(旧MRJ)も、実機が展示された。
関連リンク
2023 Exhibitors list(Paris Air Show)
Interactive Show map(Paris Air Show)
International Paris Air Show
フランス見本市協会
パリ航空ショー2023
・eVTOLイベントも初開催!パリ航空ショーが4年ぶりに帰ってくる
・世界最大!パリ航空ショーが4年ぶりに帰ってくる
2021年は中止
・パリ航空ショー、21年は中止 二度の大戦除き初めて(20年12月15日)
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・国産最大のC-2輸送機、パリ航空ショー初参加 P-1と並ぶ
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