航空自衛隊の航空支援集団は、政府専用機の運用に携わる特別航空輸送隊(特輸隊)が6月1日で部隊創立30周年を迎えたことを記念し、『写真で振り返る特輸隊のあゆみ』と題して、1993年からこれまでの歩みを貴重な写真とともに公式Twitterで紹介している。
政府は1987年(昭和62年)に、政府専用機の導入を決定。民間機であるボーイング747-400型機を母体とする2機の「B-747-400」(20-1101、20-1102)が導入された。初号機は1991年(平成3年)9月に、2号機は同年11月に、当時の総理府が民間機として受領した。1992年4月には、千歳基地に臨時特別航空輸送隊が編成されて自衛隊機となり、同年9月に運用試験を開始した。1993年2月に初の任務運航に就き、同年6月に特別航空輸送隊に新編された。
2019年3月24日には、B-747-400から現行機「B-777」への機種交代式典が千歳基地で開かれ、2019年度を迎えた4月から正式運用する体制になった。B-747-400と同じく、B-777も2機(80-1111、80-1112)導入され、同年4月22日に故・安倍晋三首相(当時)を乗せて初の任務運航に就いた。
25年以上重責を担ってきたB-747は、交代式典の時点で100カ国を訪問し、269カ所に寄港。任務運航は349回にのぼる。天皇陛下をはじめとする皇族や、宮沢喜一氏から安倍氏まで15代にわたる総理大臣の外遊などを支えたほか、PKOや邦人救出といった自衛隊の国際活動でも活躍した。
B-777は、民間機の777-300ERをスイスのバーゼルにあるジェット・アビエーションが改修した機体で、初号機が2018年8月17日に、2号機は12月11日に千歳基地へ到着した。777が後継機に選ばれたのは2014年8月12日で、整備や教育の委託先は、日本航空(JAL/JL、9201)から全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)に変わった。
Twitterのアカウントは「@asc_jasdf」今回のツイート(投稿)では、創立からかつての訓練や活動の様子などを取り上げている。
本日、#航空支援集団 #特別航空輸送隊 は部隊創立30年を迎えました🎉そこで、『写真で振り返る特輸隊のあゆみ』と題し、30年を振り返りたいと思います!#政府専用機 pic.twitter.com/WuERxGR0yF
— 航空自衛隊 航空支援集団 official (@asc_jasdf) June 1, 2023
関連リンク
航空自衛隊 航空支援集団 official(Twitter)
特別航空輸送隊
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B-777
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