エアライン — 2023年6月1日 11:09 JST

MROジャパン、ウェアラブルカメラと5Gで整備品質向上 整備士の作業映像2年分活用

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 那覇空港を拠点とする整備会社MRO Japan(MROジャパン)は5月31日、航空機整備の現場にウェアラブルカメラと5G回線を導入し、整備品質の向上を実現したと発表した。360台のウェアラブルカメラを導入し、整備士が撮影した作業映像を5G回線でクラウドシステムへアップロードし、2年分保存。映像を活用して整備品質の向上につなげる。

整備士が着用するウェアラブルカメラと5G回線で整備品質向上を進めるMROジャパン(同社提供。編集部でトリミング)

 航空機の整備は、手順書と照合しながら不具合が発生しないように作業を進めるが、万一不具合が発生した際、記録した映像を参照して原因の早期特定と再発防止策の策定につなげられるようにした。

 整備現場では工具類の管理も重要であることから、整備士は毎日始業時と就業時に工具管理を作業者同士で相互確認している。ウェアラブルカメラの導入により、作業映像を活用することで紛失した工具を早期に発見できるようになったという。

 今回のシステム構築は、ブロードバンドタワー(3776)、ヘリックス(千代田区)、テクノホライゾン(6629)、沖縄セルラー電話(9436)の4社が携わり、航空機整備のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現した。

 MROジャパンはANAホールディングス(ANAHD、9202)などが出資し、2015年6月設立。2019年1月から那覇で事業を開始し、前身の全日空整備時代から使用してきた伊丹空港の格納庫から全面移転した。全日本空輸(ANA/NH)グループの機体を中心に日常の整備やCチェックのほか、同社が得意とする塗装作業などを手掛けている。

整備士が着用するウェアラブルカメラと5G回線で整備品質向上を進めるMROジャパン(同社提供。編集部でトリミング)

整備士が着用するウェアラブルカメラと5G回線で整備品質向上を進めるMROジャパン(同社提供。編集部でトリミング)

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