中国のCOMAC(中国商用飛機有限責任公司)が開発・製造する小型機C919型機の初号機(登録記号B-919A)が現地時間5月28日、商業運航を開始した。最初の顧客である中国東方航空(CES/MU)が運航する上海(虹橋)発北京(首都)行きMU9191便が初便となった。
MU9191便は、上海虹橋国際空港の第2ターミナルを28日午前10時11分(定刻同45分)ごろ出発し、同32分にRWY18Rを離陸。北京首都国際空港のRWY18Lに午後0時31分に着陸(同午後1時10分到着)した。B-919Aは同日の折り返し便の北京午後2時50分発上海行きMU9192便にも投入された。
中国東方航空は、C919を上海虹橋-成都線の定期便に29日から投入。29日は上海午前8時10分発の成都行きMU9197便から運航を開始した。座席数は2クラス164席で、ビジネス8席、エコノミー156席となる。配列はビジネスが1列2-2席、エコノミーが3-3席で、シートも中国で開発したとうたっている。
C919は、ボーイング737型機やエアバスA320型機の機体サイズに相当する単通路機で、メーカー標準座席数は2クラス158席で最大1クラス192席、航続距離は標準型が4075キロ、航続距離延長型では5555キロ。2015年11月2日にロールアウトし、2017年5月5日に初飛行した。安全性を当局が証明する型式証明は、CAACから今年9月29日に取得したが、FAA(米国連邦航空局)などからは未取得のため、中国国内の運航にとどまる。中国東方航空には2022年12月9日に初納入した。
エンジンは、CFMインターナショナル製新型エンジン「LEAP-1C」を搭載。LEAPシリーズは単通路旅客機向け次世代エンジンで、C919向けのLEAP-1Cのほか、エアバスA320neoファミリーで選択できるLEAP-1Aと、ボーイング737 MAXに独占供給するLEAP-1Bの3モデルがある。
C919
・中国COMAC、C919を中国東方航空へ初納入(22年12月10日)
・中国COMAC、C919の初飛行成功(17年5月8日)
ARJ21
・中国COMAC、ARJ21を海外初納入 インドネシア社へ(22年12月20日)
・COMAC、中国大手3社にARJ21初納入(20年6月30日)