エアバスは現地時間5月26日、イタリア国営航空会社ITAエアウェイズ(ITY/AZ)にA330-900(A330neo)型機の同社向け初号機(登録記号EI-HJN)を引き渡したと発表した。6月から運航開始予定で、大陸間路線に投入される見込み。
座席数は3クラス291席で、ビジネス30席、プレミアムエコノミー24席、エコノミー237席(うち36席はコンフォートエコノミー)。ビジネスは英トンプソン・エアロ・シーティングの革張りのフルフラットシート「Vantage XL」を採用した。フルフラットとなる。個人用モニターは4Kタッチスクリーンで、ビジネスが17.3インチ、プレエコが15.6インチ、エコノミーが13.3インチとなる。ITAによると、プレエコとエコノミーに防汚加工を施したファブリックシートを採用した初の航空機だという。
LED照明は、搭乗、離着陸、リラックス、食事、サンセット/サンライズと、シーンに応じたパターンを用意。Wi-Fi機器による機内インターネット接続サービスにも対応している。
ITAはエアバス機で統一しており、68機保有。A350-900が6機、A330-200が8機、A320ファミリーが50機、A220が4機で、2026年末までに新世代機の割合を80%に高める。A330neoは初号機を含めて6機を発注済みで、初号機にはイタリア出身のマラソン選手でオリンピックの金メダリスト、ジェリンド・ボルディン氏の名前が与えられ、デリバリーフライトには代替航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料、サフ)」を16%使用する。
ITAは経営破綻したアリタリア-イタリア航空(AZA/AZ)に代わる航空会社で、イタリアの経済開発省が100%出資し2020年11月に設立。2021年10月15日に就航した。25日には、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)を中核とするルフトハンザ・グループが、ITA株の41%を取得すると発表した。
A330neoは、従来のA330-200と同サイズのA330-800(標準座席数3クラス220-260席、最大406席)と、A330-300の後継となるA330-900(3クラス260-300席、最大460席)の2機種で構成。ともにA350 XWBの主翼技術を取り入れ、ロールス・ロイス製新型エンジンのトレント7000と空力特性の改善で、1座席あたりの燃費を25%改善した。A330-900の航続距離は7200海里(1万3334キロ)となる。
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ITAエアウェイズ
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