エア・カナダ(ACA/AC)のマーク・ナスー副社長は5月23日、日本を含むアジア太平洋地域に同社の貨物機を就航させる可能性を示唆した。現在は旅客機の床下貨物室を使った「ベリー」でアジア太平洋路線の貨物を扱っているが、既存のボーイング767-300F/BDSF中型貨物機や、2022年に発注した777F大型貨物機の活用も検討していく。
エア・カナダの2023年第1四半期(1-3月期)決算は、売上高が過去最高を記録した。来日したナスー氏は「最も重要なのは米国と欧州だが、アジア太平洋地域でも力を発揮し始めている。我々は日本市場や日本経済に対して、非常に強気だ」と語った。
日本路線については、3月開始の夏ダイヤでは新型コロナ前の2019年以上の提供座席数を供給しており、6月3日からはバンクーバー-関西線も再開する。「日本路線を1日5便運航する日が出てくる。日本へ行きたい利用者が増えており、日本発も旅行会社と協力して需要を伸ばしていきたい」と述べた。
旅客に加え、エア・カナダは貨物の取り込みも強化している。現在の貨物機は、旅客機から改修した767-300ER BDSF貨物機が4機、2022年に2機受領した767-300F貨物機の計6機で、2022年7月に2機発注した777F貨物機は2024年に就航する見通し。
ナスー氏は「767の貨物機は欧州やラテンアメリカなどに就航しているが、バンクーバーから日本へ飛ばすこともできる」として、今後はベリーに加え、カナダ-日本間の貨物需要の取り込み強化で、767貨物機の活用を検討していく。
また、「777Fを受領すれば、カナダのどこからでもアジア太平洋地域に飛ばすことができる」と述べた。
エア・カナダは、最大11時間飛行できるエアバスA321XLRを発注しており、欧州やアフリカなどへ投入を計画していることから、ワイドボディ機をアジア太平洋地域に転用できるようになるという。
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