神戸空港へ大型ヘリコプターを空輸したエアバスの大型輸送機A300-600ST「ベルーガST(Beluga ST)」の2号機(登録記号F-GSTB)が現地時間5月13日、拠点とする仏トゥールーズへ帰着した。海上保安庁が発注したエアバス・ヘリコプターズの大型双発ヘリ「H225 スーパーピューマ」2機を運ぶため10日に神戸入りし、その日のうちに帰路についた。
ベルーガは神戸を10日午後6時27分に4Y8010便として出発し、同日午後10時44分ごろベトナムのダナンに着陸。11日にダナンからインドのムンバイ、12日にムンバイからエジプトのシャルム・エル・シェイク、13日にシャルム・エル・シェイクからトゥールーズへ向かった。
往路はエアバスの工場があるマルセイユで2機のH225を積み、6日に出発。マルセイユからカイロ、7日にカイロからドバイを経てムンバイ、8日にムンバイからコルカタ(旧カルカッタ)経由でダナン、9日にダナンから台北(桃園)、10日早朝に台北から関西空港へ立ち寄った後、神戸入りした。
大型ヘリを2機積んだ往路は、マルセイユから関空・神戸まで6都市を経て5日がかりだったが、空荷の復路は経由地が半分の3都市、4日間のフライトだった。
ベルーガSTは、これまで欧州各地で製造されるエアバス機の翼や胴体などを工場間で運ぶ用途で使われてきたが、2020年1月に就航した後継機A330-700L「ベルーガXL(Beluga XL)」への置き換えが進んでおり、エアバスは特大貨物輸送の新規事業「エアバス・ベルーガ・トランスポート(ABT: Airbus Beluga Transport)」を2022年1月に発表した。
ベルーガSTの設計寿命が5万回のフライトであるのに対し、全5機の平均が1万5000回程度と余裕があることから、ヘリや航空機用エンジン、人工衛星、船外実験装置、精密機器などの特大貨物を解体せずに運べる特徴を生かしたビジネスを立ち上げた。
ベルーガSTの日本飛来は3度目で、神戸へは2021年12月25日以来約1年4カ月ぶり2回目。前回はロシア上空を飛行できたが、今回はロシアによるウクライナ侵攻の影響を受けて南回りのフライトとなった。
関連リンク
海上保安庁
BelugaST (Airbus)
Airbus
Airbus Helicopters
エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン
2度目の神戸
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