国内唯一の公的パイロット訓練機関である国の航空大学校は5月12日、2024年度(令和6年度)の学生募集要項を公表した。出願期限は6月12日で、試験は7月30日から始まる。
定員は飛行機操縦科108人で、入学時期は2025年2月を予定。入学時期以降、おおむね3カ月ごと4回に分かれて授業を始める見込み。
出願資格は、1999年4月2日から2004年4月1日までに生まれで身長158センチ以上であることに加え、4年制大学に2年以上在学し62単位以上取得、短大または高専を卒業、専修学校の専門課程を修了して専門士または高度専門士を取得、のいずれかに該当すること。また、2024年3月末までにこれらの学校を卒業・修了見込みである人と、これらの学校の卒業生と同等以上の学力を有すると航空大学校の理事長が認めた人も対象になる。
過去に航大を受験し、第二次試験身体検査B(脳波検査)で不合格になった人は出願すできない。
出願方法は、入学検定料を納入後、所定の封筒で出願書類を5月22日から6月12日までに郵送または持参。郵送の場合は6月12日の消印まで有効となる。
試験科目は、第一次試験が英語(筆記、リスニング)、総合(筆記)、第二次試験が身体検査A(心理適性検査を含む)、身体検査B(脳波検査)、第三次試験が面接試験及び飛行訓練装置による操縦適性検査。試験会場は第一次が東京都、大阪市、札幌市、岩沼市、福岡市、宮崎市、第二次は航大のウェブサイトに掲載、第三次は宮崎市となる。
試験日程は、第一次が7月30日、第二次は身体検査Aが9月16日から24日までの間で学校が指定する日、身体検査Bは12月9日から11日までの指定日、第三次は2024年1月23日から2月6日までの指定日。
合格者発表は、第一次が8月18日、第二次が12月28日、最終が2月16日で、発表時刻はいずれも午前10時。合格者の受験番号を航大のウェブサイトに掲載するとともに、合格者には合格通知書を本人あてに送付する。
入学料は28万2000円、授業料は宮崎学科課程が66万8000円、帯広フライト課程が80万2000円、宮崎フライト課程が80万2000円、仙台フライト課程が93万6000円、寄宿料が月額1500円で、光熱水料、食費などは実費となる。このほかにも、国家試験受験費用や転居費用などがかかる。
航大のキャンパスは宮崎と帯広、仙台の3空港にある。入学後は最初に宮崎で学科座学を5カ月、帯広と宮崎で単発機操縦を6カ月ずつ、最後に仙台で多発機操縦を7カ月と、2年間訓練を受ける。
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