今年度上期で全機退役する日本航空(JAL/JL、9201)のボーイング777-200ER型機のうち2号機(登録記号JA702J)が5月9日午後、羽田空港から売却先の米国へ向かった。全11機の中で最後まで残った3機のうち1機で、羽田のC滑走路(RWY34R)から午後4時19分に離陸し、フェリーフライトのJL8132便として米カリフォルニア州ビクタービルのサザンカリフォルニア・ロジスティックス空港へ向かった。
JA702JがJALに引き渡されたのは2002年9月23日。最後の営業運航は、3月31日の石垣発羽田行きJL974便だった。
JALはマクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-11型機の後継機として、777-200ERを2002年から11機導入。エンジンはGE製GE90-94Bで、東南アジアやハワイなど中距離国際線を中心に投入されていたが、2021年に国際線の運航から離脱し、5機を国内線に転用した。777-200ERで運航する国内線のうち、往路の飛行時間が3時間を超える最長路線だった羽田-石垣線は、4月2日が最終運航だった。
座席数は2クラス312席で、クラスJが26席、普通席が286席。クラスJのシートは国際線時代にビジネスクラスだった「スカイスイートIII」をそのまま使用しており、国内線でフルフラットシートを体験できるのが売りだった。
2021年に退役済みの国内線機材777-200を含めると、JALの777-200/-200ERはまもなく27年の歴史に幕を下ろし、JALの国内線大型機はエアバスA350-900型機(3クラス369席/391席)に統一される。777-200ERは3月31日で初号機(JA701J)と2号機が定期便運航から離れ、4月からは一部の週末やゴールデンウイークなど高需要の日に限り、最後に残った3号機(JA703J)を投入していた。今後3号機が定期便に復帰するのは、夏の繁忙期になるとみられる。
最初に退役した4号機(JA704J→N774LG)は、当紙既報の通り、NASA(米国航空宇宙局)がアームストロング飛行研究センターで飛行実験室として運用しているダグラス(現ボーイング)DC-8-72型機(N817NA)の後継機として導入する計画を進めている。同機はJALの777-200ERでは最初の退役機で、2020年7月1日に羽田から米カリフォルニア州ビクタービルへ向かった。
5月16日には、初号機が売却先の米国へ向かう際、乗客を乗せない「フェリーフライト(回航便)」を活用した本邦初のチャーター便を運航する。
*写真は9枚。
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