日本航空(JAL/JL、9201)は5月2日、ボーイング767-300ER型機の旅客機を改修した貨物専用機を3機導入すると発表した。JALが貨物機を導入するのは13年ぶりで、2023年度末から順次運航を開始する。
JALが保有する中型旅客機767-300ERを貨物機に改修して導入。貨物郵便事業の成長を目指すもので、物流の2024年問題に対応する。
2023年度末から東アジアを中心とした国際線に投入。将来的には国内線にも投入し、機材の稼働率を向上させ、貨物搭載率の最大化を図るとしている。JALの斎藤祐二専務は2日、「昼間に国内の宅配、夜に東アジアのコマースの国内と国際のハイブリッドで、従来の大型機による貨物事業とは異なる形でチャレンジしたい」と語った。
JALは2024年4月から、ヤマトホールディングス(9064)と貨物専用機を運航。連結子会社のスプリング・ジャパン(旧春秋航空日本、SJO/IJ)がエアバスA321ceo P2F型貨物機を運航するが、ヤマトHDが3機リース導入するもので、JALの保有機材ではない。
767の貨物機もヤマトHDと協業するが、JALの赤坂祐二社長によると、完全な独占契約ではないという。
競合の全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、2022年7月に次世代大型機777Xの貨物型777-8Fの導入を決め、2028年以降に2機受領する見通しで、3月7日には日本貨物航空(NCA/KZ)を100%子会社化することで、株主の日本郵船(9101)と基本合意したと発表。NCAの子会社化の時期は今年10月となる見通し。
また、JALが2日に発表した2023年3月期通期決算は、2020年3月期以来3年ぶりに黒字となった。
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