羽田空港の格納庫など施設運営を手掛ける空港施設(8864)は、国土交通省OBが同社の役員人事に介入した疑いを受けて設置した外部の有識者による独立検証委員会から報告書を受領し、4月28日に公表した。検証委は、国家公務員法が定める「再就職に関する規制」(天下り規制)の趣旨に反する行為で、企業価値が毀損(きそん)されたと指摘し、取締役指名委員会と取締役会についても「機能不全に陥っていた」として、強固なガバナンス体制の構築と継続的なモニタリングを提言した。
—記事の概要—
・面談応じず書面で回答
・国交省現職の意向「恐怖を覚えた」
面談応じず書面で回答
委員会名は「役員指名等ガバナンスに関する独立検証委員会」で4月10日に設置。八田進二・青山学院大学名誉教授が委員長、プロアクト法律事務所の弁護士・公認不正検査士である池永朝昭氏と竹内朗氏が委員に就任し、26日付で報告書をまとめた。
検証の対象は、2021年に行われた同社の指名委員会などでの取締役候補者の選任に関する一連の事実と審議過程。前副社長で、当時取締役だった国交省OBの山口勝弘氏が、代表権のある副社長ポストを要求し、同年6月29日の株主総会で同職に就任した。その後、2022年12月に国交省の元事務次官で東京メトロ(東京地下鉄)会長の本田勝氏が、同社の乘田俊明社長と稲田健也会長に対して山口氏を社長に昇格させるよう、「国交省の意向」として要求したと受け取られる動きがあったことから、山口氏は4月3日付で副社長を辞任した。
検証委は関係者13人と関係先3者に対する面談や書面による質問、空港施設が山口氏に貸与していたパソコンやスマートフォンのデータ復元を伴う「デジタル・フォレンジック(電子鑑識)」による調査などを実施した。
ヒアリング対象となった空港施設関係者のうち、国交省OBの
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