ボーイングは、最新技術を飛行しながら実験する「ボーイング・エコデモンストレーター・プログラム」に、787の中で最長の胴体を持つ787-10型機を使った「エコデモンストレーター・エクスプローラー」を今年の試験に加え、初号機を6月にシアトルから東京、シンガポール、バンコクへ飛行させる。試験中の技術により、燃費やCO2(二酸化炭素)排出量の削減を検証するフライトで、代替航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料、サフ)」を可能な限り使うという。
エコデモンストレーター・プログラムは、2012年にスタート。737-800、787-8、757、777F貨物機、エンブラエルのE170が試験機として使用され、2019年からは777-200ERに次世代情報技術や最先端カメラなどを搭載し、実際に飛行しながら検証を重ねてきた。
今年の飛行試験は、777-200ERでも19の技術について試験を実施するほか、新たに787-10を特定の技術に関する試験に特化した「エコデモンストレーター・エクスプローラー」として加える。6月にシアトルから東京、シンガポール、バンコクへ飛行する際は、複数国の領空にまたがる飛行経路を調整することで運航効率を高め、航空機の燃料使用量やCO2排出量を最大10%削減できることを実証する。
787-10は、各地で可能な限り最大の混合率となるSAFを調達して飛行する。
また、777-200ERでは、リサイクル炭素繊維40%、バイオベースの原材料から作られた樹脂60%からなるサステナブルな素材を採用した貨物室の壁パネル、100%SAFに対応する燃料残量計測光ファイバーセンサー、Jeppesen FliteDeck Proの機能の一つである「スマート・エアポート・マップ」を搭載した電子フライトバッグ(EFB: Electronic Flight Bag)アプリケーションなどの試験を実施する。
関連リンク
Boeing’s ecoDemonstrator program
Boeing
ボーイング・ジャパン
ボーイング・エコデモンストレーター
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日本の787-10
・ANA、787-10を国内線に初投入 今秋2機、年度内に4機体制(23年4月27日)