全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)の芝田浩二社長は4月27日、3機保有しているエアバスA380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」のうち、未就航の3号機(登録記号JA383A)について「確定的なことは申し上げられない」とした上で、ハワイ路線の需要動向によっては今年度内に投入する可能性を示唆した。
ANAは、A380による成田-ホノルル線(NH184/183便)のデイリー運航を20日から3年ぶりに再開。7月21日からは運休中のNH182/181便を再開して週14往復(1日2往復)のダブルデイリーに増便し、8月31日までは火曜と金曜、日曜の週3往復にA380を投入することにより、週10往復がA380の運航便になる。
コロナ前の計画では、A380の運航がダブルデイリーになる2020年6月1日から3機体制とし、3号機の就航を予定していた。
芝田社長は「ハワイの需要は結構強気に見ており、コロナ前を100とすると超えるだろう」と今年度の見通しを述べ、「1日2便ともA380になれば一番良いが、需要をしっかり見ながら考えたい」と語った。
「需要がしっかりついてくれば、1日2便は現実的に可能だと思う。確定的なことは申し上げられないが、年度内にはしっかりと需要がついてくると思う」との見方を示した。
総2階建ての超大型機A380は成田-ホノルル線の専用機材で、2019年5月24日就航。座席数は4クラス520席で、ファーストクラスは個室タイプが8席、ビジネスクラスが56席、プレミアムエコノミーが73席、エコノミーが383席で、エコノミーの後方には日本初のカウチシート「ANA COUCHii」を導入している。
すべてが特別塗装機で、ハワイの空と海、夕陽をイメージしたデザインを施した。初号機(JA381A)は空をイメージした青(ANAブルー)、2号機(JA382A)は海をイメージした深緑(エメラルドグリーン)で、3号機は夕陽をイメージしたオレンジ(サンセットオレンジ)に仕上げた。
A380就航に合わせ、ANAはウミガメをモチーフにしたオリジナルキャラクターのラニ(青)、カイ(グリーン)、ラー(オレンジ)を登場させた。ANAによると、キャラクター名と機体はひも付いておらず、3体の名前は機体の愛称ではない。
3号機は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、2021年10月16日に成田へ到着後、一度も商業運航に投入されておらず、同機の就航がハワイへの観光需要回復を測るものさしのひとつになると言えそうだ。
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全日本空輸
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写真特集・ANA A380 3号機ロールアウト
前編 まつげのある3号機、足場もオレンジになった塗装工場
後編 非中東系ラストはサンセットオレンジ
写真特集・ANA A380 FLYING HONUの機内
(1)個室ファーストクラスでプライバシー確保
(2)ペアシートもあるビジネスクラス
(3)2階後方にゆったりプレエコ
(4)カウチシートもあるエコノミー
動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・ANA A380 3号機トゥールーズ離陸【JA383A】