全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は4月27日、社員持株会向けに譲渡制限付株式によるインセンティブ制度を導入すると発表した。グループの「2023-2025年度中期経営戦略」達成へのインセンティブ向上を図るもので、1人100株を付与。譲渡制限期間は2026年までの3年間となる。
対象となるのは、全日空社員持株会と全日空グループ社員持株会、全日空商事グループ社員持株会。会社による自己株式の処分日は11月1日で、処分額は4月26日の終値に基づき1株2930円とした。譲渡制限期間は11月1日から2026年11月1日まで。
ANAHDは、これに先立ち持株会を通じた「特別奨励金スキーム」を導入すると3月27日に発表。2023年3月期決算が通期で黒字化したことから、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を乗り越えた従業員に還元するものとして、1人当たり普通株式70株を7月14日に付与する。この70株には譲渡制限期間はない。
これにより、持株会の会員である従業員には、黒字化の従業員還元となる普通株70株と、インセンティブとしての譲渡制限株100株の最大170株が付与される。
27日に発表した2023年3月期通期(日本基準)連結決算は、最終損益が894億7700万円の黒字(22年3月期は1436億2800万円の赤字)と、2020年3月期以来3期ぶりの黒字となった。今期(24年3月期)の通期連結業績予想は、純利益800億円を見込む。
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