日本航空(JAL/JL、9201)は4月26日、ゴールデンウイークの繁忙期前に飛行機を使った移動でサステナビリティ(持続可能性)について知ってもらおうと、羽田空港の第1ターミナルの搭乗口付近で「かくれナビリティ」をキーワードにした動画の放映を始めた。
動画では、搭乗時刻に間に合う、搭乗前にトイレに行く、降りる前に窓のシェード(日よけ)を降ろすといった、ひとり一人の小さな心掛けの積み重ねを隠れたサステナビリティ「かくれナビリティ」と名づけ、駐機中や運航中のCO2(二酸化炭素)排出量削減につながることに理解を求めている。
定刻通りに出発すると、遅延回復のために運航速度を速める必要がなくなり、搭乗前にトイレで用を足すことで一人あたりの重量が軽くなる。窓の日よけを下げると機内の温度を一定に保てるため、冷暖房の使用を抑えられる。
JALのESG推進部企画グループの西岡桃子主任によると、国内線で使用している大型機のエアバスA350-900型機の運航便では、乗客全員が搭乗前にトイレを済ませたと仮定すると、1便あたり150キログラム軽くでき、CO2排出量を112リットル削減できるという。「1便1便としては小さな取り組みですが、塵も積もればかなり大きな削減になります」と話していた。
また、排出したCO2の埋め合わせができる「カーボンオフセット」も、ノルウェーのCHOOOSE社の仕組みを使い、JALのウェブサイトから支払うことができる。札幌(新千歳)-那覇間では、444円程度でオフセットできるという。
実はこんな行動も #SDGs に⁉️かくれたサステナビリティ「#かくれナビリティ」をご紹介🌏
第3弾は「乗る前にお手洗いへ」✨
皆さまの行動がSDGsに繋がります🌱✈️[サステナビリティの取り組み]#JALSustainability pic.twitter.com/YSjk58Cxlg
— JAL's now【公式】 (@JALs_now) April 26, 2023
西岡さんは「サステナビリティというとエコのイメージが強いと思います。飛行機はCO2をかなり排出するので、削減に取り組まなければなりませんが、JALでは旅先の人との関係人口拡大で地元の産品を買う、使うなど、地域活性化につなげていきたいです」と抱負を語った。
JALは自社のTwitterやFacebook、Instagramのアカウントで動画を配信しており、国内空港も羽田を皮切りに準備が整った空港から案内表示板を通じて動画を流し、ゴールデンウイークの空の旅を契機に、サステナビリティに関心を持ってもらう。
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JAL’s now【公式】(Twitter)
日本航空
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