全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は4月24日、三菱重工業(7011)が開発を中止した「三菱スペースジェット(旧MRJ)」について、子会社の三菱航空機との契約を同日解除したと発表した。
*今後の行く末はこちら。
契約を解除したのは、確定発注となっていた15機分。ANAはMRJのローンチカスタマーで、確定15機に加えてオプション(仮発注)の10機を合わせた最大25機の発注契約を結んでいた。確定発注分をキャンセルしたことで、すべての契約が解除となった。
27日に発表予定の連結業績や、今年度のANAグループ航空輸送事業計画への影響はないとしている。
三菱重工は2月7日にスペースジェットの開発中止を正式発表した。同じく確定発注していた日本航空(JAL/JL、9201)も、「導入予定航空機」に関する補償金として80億円を受領すると2月28日に発表しており、スペースジェットの補償金とみられる。JALの確定発注は32機全機で、発注総数と確定発注ともANAを上回っていた。
スペースジェットの跡目
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当紙スクープ
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機体メーカーとしての責任
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米国に残る試験機
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スペースジェット
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