ニューヨークを拠点とする眼科医療の国際NGOオービス・インターナショナルは4月21日、世界で1機しかない機内に眼科医院が設けられた「Flying Eye Hospital(フライング・アイ・ホスピタル)」(ボーイングMD-10-30型機、登録記号N330AU)を、関西空港で日本初公開した。日本親善ツアーとして協賛企業の関係者に25日まで公開する。
関空で公開されたMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」の手術室で説明するオービスの看護師(右)=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
オービスはニューヨークを拠点とする眼科医療の国際NGO。失明の予防や治療に取り組む眼科医療の専門家養成を必要とする地域に、トップレベルの研修を提供するため、40年以上にわたり世界95カ国以上で医療プログラムに参加してきた。
機内には手術室、研修室「クラスルーム」、手術前後のためのケアルームがあり、VR(仮想現実)をはじめとした最新のシミュレーショントレーニング技術をそろえた。日本人を含むオービスの医療専門家は全員がボランティアで、現地の眼科医らに知識やノウハウを伝えている。また、オービスの独自遠隔医療プラットフォーム「Cybersight」により、講義などを世界中の提携病院や研修室に配信する取り組みも進めている。
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
今回飛来したフライング・アイ・ホスピタルは3代目の機体。初代が1982年のDC-8、2代目はDC-10で、3代目は米フェデックスの航空貨物子会社フェデックス エクスプレス(FDX/FX)が運航していたMD-10-30F貨物機(N301FE)を寄贈し、改修したもの。
MD-10の外観の特徴は、エンジンが3基ある「3発機」。世界的に3発機は退役が進んでおり、関空でも目にする機会が減っている。マクドネル・ダグラス(現ボーイング)DC-10型機のコックピットを後継機MD-11の仕様に改修したもので、従来はパイロット2人と航空機関士1人による3人が必要だったが、MD-11と同じくパイロット2人で運航できるようになった。機材更新に伴い、フェデックスのMD-10Fは2022年末で全機が退役済みで、フライング・アイ・ホスピタルは世界で2機しかない現役のMD-10となっている。
オービスによると、手術室などで使う電源の発電機や空調など、地上支援設備は自前で運ぶことができ、十分な設備のない空港でも運用できるという。関空の後はベトナムに向かう。
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関空のB滑走路に着陸するオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」=23年4月18日15時32分 PHOTO: Daigo TAKENOBU/Aviation Wire
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」のコックピット=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」のコックピット=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」のクラスルーム=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」の廊下=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」のレーザートリートメント室=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」の手術室=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」の手術室=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」の手術室=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関空で公開されたMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」のケアルームで眼帯をしたテディベアを手にするオービスの看護師=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」のケアルーム=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
発電機などを自前で用意するオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」の貨物ドア=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
MD-10の床下貨物室を改修した「フライング・アイ・ホスピタル」のオフィス=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」の中央脚=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関空で公開されたオービスのMD-10「フライング・アイ・ホスピタル」=23年4月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
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