英国の航空宇宙防衛大手BAEシステムズは、米ロッキード・マーチンから第5世代戦闘機F-35「ライトニングII」の17ロット向けに電子戦システム「AN/ASQ-239」の最新版となるブロック4(Block 4)を受注した。契約額は4億9100万ドル(約653億円)で、これまでに納入済みの1200ユニットへの追加となる。
ブロック4電子戦システムには、センシングと信号処理能力を高めるハードウェアとソフトウェアの大幅なアップグレードが含まれ、数々の新しい高性能センサーにより観測が困難な脅威やより多くの脅威を同時に検出するシステムの能力が飛躍的に高まるという。
電子戦は、敵の脅威から発せられるエネルギー信号を傍受・識別し、位置を特定したり、電子機器による攻撃や妨害、戦闘能力の破壊を実行する。AN/ASQ-239は、F-35に長距離脅威警告、自己防衛、標的設定支援を含む統合された攻撃・防御の電子戦能力を提供する。F-35が脅威を回避、交戦、対抗、妨害し、十分に防御された目標に到達できるよう、360度の全方位状況認識能力と即応能力をもたらす。
AN/ASQ-239は、米ニューハンプシャー州マンチェスターと同州ナシュアにあるBAEシステムズの施設で設計・製造されている。
F-35は、高いステルス性能や高度な火器管制能力を持つ第5世代戦闘機で、通常離着陸型のF-35A、短距離離陸・垂直着陸型のF-35B、艦載型のF-35Cの3種類がある。日本では航空自衛隊がF-35AとF-35Bを採用している。
また、BAEシステムズは日英伊3カ国共同の次世代ステルス戦闘機プロジェクト「GCAP(グローバル戦闘航空プログラム)」の新たな開発投資として、英国防省(MOD)から6億5600万ポンド(約1089億円)の大型契約を獲得した。GCAPは英国で「テンペスト」と呼ばれており、2035年までの開発、英空軍への配備を目指す。
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BAE Systems
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