官公庁, 機体, 解説・コラム — 2023年4月15日 15:17 JST

日英伊の次期戦闘機、英国防省が1千億円超え大規模投資 35年配備へ

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 英国の航空宇宙防衛大手BAEシステムズは現地時間4月14日、日英伊3カ国共同の次世代ステルス戦闘機プロジェクト「GCAP(グローバル戦闘航空プログラム)」の新たな開発投資として、英国防省(MOD)から6億5600万ポンド(約1089億円)の大型契約を獲得したと発表した。GCAPは英国で「テンペスト」と呼ばれており、2035年までの開発、英空軍への配備を目指す。

DSEI Japanの会場に展示された次期戦闘機の模型=23年3月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ファンボロー航空ショーで公開された英国の次世代戦闘機「テンペスト」の胴体の一部=22年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 GCAPのベースとなるテンペストは第6世代戦闘機で、2018年から開発。英独伊西の欧州4カ国が共同開発した戦闘機「ユーロファイター」の後継機として、MODとBAE、レオナルド、MBDA、ロールス・ロイスで構成する「チーム・テンペスト」が中核となり、第1段階の開発を進めてきた。MODは今回、各社を代表してBAEに設計・開発に関する大型契約を発注した。このため、契約額には3社が担当する領域も含まれる。

 日英伊3カ国による共同開発は、2022年12月9日に発表。日本ではF-2戦闘機の後継がGCAPとなった。機体は英BAEシステムズ、伊レオナルド、三菱重工業(7011)、エンジンは英ロールス・ロイスと伊アヴィオ、IHI(7013)、ミッションアビオニクスシステムは英レオナルドUKと伊レオナルド、三菱電機(6503)が各国で開発主体を務め、プロジェクトを統括していく。

 今回の契約で、60以上の最先端技術実証、デジタルコンセプト、新技術の成熟を進めることになる。

 3月に幕張メッセで開催された防衛・セキュリティ総合展示会「DSEI Japan」では、次期戦闘機の模型が展示された。

関連リンク
Ministry of Defence
Team Tempest(Royal Air Force)
BAE Systems

DSEIジャパンで模型展示
次期戦闘機、模型を防衛展示会に出展 幕張メッセDSEI Japan(23年3月17日)

アビオニクス開発は4社
次期戦闘機、三菱電機がレオナルドなどと協業契約 アビオニクスを共同開発(23年3月16日)

共同開発発表
次期戦闘機、日英伊3カ国共同開発 F-2後継35年配備へ、米とは無人機開発(22年12月9日)
IHI、次期戦闘機のエンジン参画 日英伊が共同開発(22年12月10日)

テンペスト
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