成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は、貨物の運搬に使う梱包フィルムや木製パレットを再生させ、空港内などでもう一度使う取り組みを4月1日に始めた。全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)と、日本航空(JAL/JL、9201)との共同プロジェクトで、空港で出た廃材をリサイクルし空港へ戻すことで、循環型社会の確立を目指す。
「成田空港で資源をまた使おうプロジェクト」と命名した資源循環の共同プロジェクトで、貨物を載せる木製のパレットと梱包(こんぽう)するフィルムを、それぞれ別の製品に作り替える。パレットは角当てやボードなどの輸送用資材に、梱包フィルムはゴミ袋にリサイクルする。
パレットはANAHDとJALの両社から回収し、輸送用資材に再生。航空貨物の輸送に活用する。梱包フィルムはJALから回収し、サティスファクトリー(東京・八丁堀)が再生材ゴミ袋「FUROSHIKI」に再生。ゴミ袋はターミナル内のゴミ箱で使用する。2021年度は木製パレットが700トン、梱包フィルムは130トン排出されており、従来は焼却などで処分されていた。これらを再資源化することで、新たな資源循環スキームを構築する。
従来は空港関連の事業者が独自にリサイクルに取り組んでいたが、今回はNAAが働きかけ、各社が賛同・連携することとなった。今後は参加企業や品目を増やし、プロジェクトの拡大を実現させたい考え。NAAの田村明比古社長は今回のプロジェクトについて「空港全体の意識啓発につながり、意義深いと考えている」とコメントした。
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