今年度上期で全機退役する日本航空(JAL/JL、9201)のボーイング777-200ER型機が4月2日、羽田-石垣線の定期便最終運航を終えた。往路の飛行時間が3時間を超え、同型機で運航する国内線では最長路線だった。
今後はゴールデンウイークなど繁忙期に羽田-札幌(新千歳)、那覇の2路線に投入する計画で、5月1日に下地島チャーター、16日には初号機(JA701J)が売却先の米国へ向かう際、乗客を乗せない「フェリーフライト(回航便)」を活用した本邦初のチャーターを運航する。
—記事の概要—
・フルフラットシートのクラスJ
・4号機はNASAへ
*石垣最終便の搭乗記はこちら。
フルフラットシートのクラスJ
JALは777-200ERを今年度(23年度)上期中に全機退役させる計画。2021年に退役済みの国内線機材777-200を含めると、JALの777-200/-200ERは27年の歴史に幕を下ろす。777-200ERはマクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-11型機の後継機として、2002年から11機導入した。エンジンはGE製GE90-94Bで、東南アジアやハワイなど中距離国際線を中心に投入されていたが、2021年に国際線の運航から離脱し、5機を国内線に転用した。ゴールデンウイークを除く平日の運航からはすでに離脱したもようで、現在は1機が週末など繁忙期に運航可能な状態となっている。
座席数は2クラス312席で、クラスJが26席、普通席が286席。クラスJのシートは国際線時代にビジネスクラスだった「スカイスイートIII」をそのまま使用しており、国内線でフルフラットシートを体験できる。スカイスイートIIIは、シートを斜めに配置するヘリンボーン配列をJALでは初めて採用した。
2日の羽田-石垣線は2往復すべてを777-200ERで運航。下地島チャーターでも使用する3号機(登録記号JA703J)が投入された。最後の1往復は、石垣行きJL973便が羽田の10番スポット(駐機場)から午後2時44分に出発し、午後5時42分に石垣の8番スポットへ到着。羽田行きJL974便は午後7時23分に石垣の8番スポットから出発して、羽田には午後10時7分に9番スポットへ到着した。
4号機はNASAへ
一方、当初から国内線機材として導入された777-200は、2021年3月までに全機が退役済み。エンジンはプラット&ホイットニー製PW4000を搭載しており、JALとユナイテッド航空(UAL/UA)でファンブレードに不具合が起きたことから、JALは2021年3月末で当時残っていた2機の777-300(2クラス500席:クラスJ 78席、普通席422席)と、5機の777-200(3クラス375席:ファースト14席、クラスJ 82席、普通席279席)の計7機あったPW4000搭載777をすべて退役させている。
777-200ERも退役することで、JALの国内線大型機はエアバスA350-900型機(3クラス369席、3クラス391席)に統一される。
また、JALが運航していた777-200ERのうち1機(JA704J→N774LG)は、当紙既報の通り、NASA(米国航空宇宙局)がアームストロング飛行研究センターで飛行実験室として運用しているダグラス(現ボーイング)DC-8-72型機(N817NA)の後継機として導入する計画を進めている。同機はJALの777-200ERでは最初の退役機で、2020年7月1日に羽田から米カリフォルニア州ビクタービルへ向かった。
*石垣最終便の搭乗記はこちら。
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