ZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)は4月1日、成田-ホノルル線の定期便で代替航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)」の使用を始めた。同社によると、SAFを定期便で通年使用するのは世界初だという。
ZIPAIRは日本航空(JAL/JL、9201)が100%出資する中長距離LCC(低コスト航空会社)で、成田空港が拠点。SAFを使用した定期便初便は、1日の成田発ZG2便(ボーイング787-8型機、登録記号JA824J)で、乗客133人を乗せて午後7時6分に第1ターミナル21番ゲートを出発した。
出発前の記念式典で、ZIPAIRの西田真吾社長は「成田―ホノルル線で持続可能な航空燃料の使用、排出量と同等の二酸化炭素を吸収する活動への協賛を通じてカーボンニュートラルの定期便を実現できた。アジアの小さな航空会社ではあるが、小さいからこそ出来ることがある。カーボンニュートラルの実現、これを我々のDNAに刻みつけたい」と語った。同路線のカーボンニュートラル化に当たっては、SAFの使用に加えて、排出権取引制度も活用した。
ハワイ州はレスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)のスローガンに「マラマハワイ」を掲げている。ZIPAIRはハワイの環境を守る活動に賛同し、ホノルル線でのSAF使用を決めたという。
SAFはフィンランドのネステからJALグループが調達し、ZIPAIRが運航する成田-ホノルル線の年間燃料料搭載量の約1%相当を置き換える。今年度(23年度)はホノルル線定期便のみでの使用だが、今後は全路線のカーボンニュートラル化を目指し、SAF調達先の多様化なども検討していくという。
3月26日開始の夏ダイヤでは、成田-ホノルル線を週3往復運航。4月末からのゴールデンウイーク期間は毎日運航するほか、繁忙期には増便する。機材はボーイング787-8型機(2クラス290席)が5機で、今年度中の7機体制を目指している。
*写真は12枚(運航スケジュールは写真下に掲載)。
運航スケジュール
ZG2 成田(19:15)→ホノルル(07:30)運航日:火木土
ZG1 ホノルル(09:30)→成田(翌日13:10)運航日:火木土
*3/26から4/2、4/26から5/8は月水金日を増便
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機内の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
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