ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のエアージャパン(AJX/NQ)は3月9日、新ブランド「AirJapan」で運航するボーイング787-8型機のシートなどサービスを発表した。インバウンド(訪日客)をメインターゲットとし、2024年2月に東南アジアへ就航する計画で、成田空港と関西空港からアジアを中心とした路線を拡大していく。
—記事の概要—
・足もと広めのエコノミークラス
・FSCとLCCの”いいとこ取り”
足もと広めのエコノミークラス
機材は全日本空輸(ANA/NH)が現在運航している787-8を改修。座席数はエコノミークラスのみの1クラス324席とした。シートピッチは海外のFSC(フルサービス航空会社)のエコノミークラスと同等となる32インチ(約81センチ)とし、東南アジアのLCCで主流の28-29インチより広くした。ANAの国際線用787は34インチ、国内線用は31インチで、グループ内では中間のピッチとなる。
シートにはタブレットホルダーを設け、乗客が自分のスマートフォンやタブレットを置き、映画などを鑑賞できるようにした。充電用USB端子はType-Aに加え、最新のType-Cにも対応した。Wi-Fiによる機内インターネット接続サービスを提供し、各席の個人用モニターは設置しない。客室仕様とシートの開発では、7時間前後のフライトとなる中距離国際線で居住性を重視した。
客室乗務員の制服は、ボトムスはスカートとパンツの2種類、シューズはスニーカーか革靴を選べるようにし、自由な着こなしを楽しめるようにしたという。
機内食は、インバウンド(訪日客)が再び日本を訪れたくなるよう、日本の文化を感じられるものにするという。また、機内BGMは東京芸術大学とコラボレーションする。
FSCとLCCの”いいとこ取り”
AirJapanは、FSCのANA、LCC(低コスト航空会社)のピーチ・アビエーション(APJ/MM)に続く第3のブランド。ANAグループのアジア・リゾート路線を担う現在のエアージャパンを、FSCとLCCの長所を併せ持つ“いいとこ取り”の航空会社に衣替えする。ブランドコンセプトは「Fly Thoughtful」とした。
一方、日本航空(JAL/JL、9201)が100%出資する中長距離LCCのZIPAIRは、3年前の2020年6月に就航。現在は成田-バンコク、ソウル(仁川)、ハワイのホノルル、シンガポール、ロサンゼルス、サンノゼの国際線6路線を4機の787-8(2クラス290席)で運航しており、2023年度には7機体制になる計画で、新路線の成田-サンフランシスコ線を2023年度第1四半期(4-6月期)、成田-マニラ線を第2四半期(7-9月期)に開設を計画している。
*写真は12枚。
関連リンク
AirJapan Journey(YouTube)
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エアージャパン
全日本空輸
AirJapan
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写真特集・ZIPAIR 787-8の機内
(1)フルフラット上級席ZIP Full-Flatは長時間も快適
(2)個人用モニターなし、タブレット置きと電源完備のレカロ製普通席
(3)LCC初のウォシュレット付きトイレ