日本航空(JAL/JL、9201)は2月28日、導入予定航空機に関する補償金として80億円を受領すると発表した。三菱重工業(7011)が開発中止を決定した「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の補償金とみられる。2023年3月期の連結業績予想に与える影響はないという。
JALは9年前の2014年8月28日に、MRJ(当時)を32機すべてを確定発注する意向を表明。2015年1月28日に正式契約を締結した。ローンチカスタマーの全日本空輸(ANA/NH)は確定15機とオプション10機の最大25機で、発注総数と確定発注ともJALがANAを上回っていた。
計画ではJALグループのジェイエア(JAR/XM)が当時運航していたボンバルディアCRJ200(1クラス50席)を退役させた後、エンブラエル170(E170、1クラス76席)とエンブラエル190(E190、2クラス104席)による同一メーカー2機種体制を構築。その後、MRJを2021年に就航させ、ジェイエアが国内線で運航する計画だった。
しかし、三菱重工は6回の納入延期を経て、今年2月7日に開発中止を正式発表した。
JALの2023年3月期の通期業績予想は、売上収益が2022年3月期比98.9%増の1兆3580億円、EBIT(利払い・税引き前損益)は500億円の黒字、純損益が250億円の黒字で、2020年3月期以来3期ぶりの通期黒字を見込む。
関連リンク
日本航空
スペースジェット
・【独自】スペースジェット、開発中止決定 次期戦闘機に知見生かす(23年2月6日)
・三菱重工、スペースジェット開発中止を正式発表 泉澤社長「機体納入できず申し訳ない」(23年2月7日)
・スペースジェット開発中止で問われる267機の責任 特集・機体メーカーとしての三菱重工(23年2月9日)
・スペースジェット試験機、3機は米国で保管 解体か保存か(23年2月7日)
JALのMRJ発注
・JAL、MRJを32機正式発注 2021年に初号機納入(15年1月28日)
・JAL、MRJを32機導入 植木社長「航空産業拡大に貢献したい」(14年8月28日)
JAL通期予想
・JAL、通期下方修正も復配へ 22年4-12月期は2四半期連続で営業黒字(23年2月3日)