10月11日、成田空港で報道関係者に公開されたシンガポール航空(SIA)のボーイング777-300ER型機の新仕様機(登録番号9V-SWV)。全クラスに新シートを採用した新仕様機は現在2機が就航済みで、計8機が新造機で導入される。エアバスの次世代機A350 XWB型機にも導入予定で、総額約1億5000万米ドル(150億円)を投じる。
座席数はファーストが8席、ビジネスが42席、エコノミーが228席の計278席で、既存機と同一。今回はファーストクラスの新シートを取り上げる。(写真特集:ビジネス [1]・エコノミー [2])

シンガポール航空が777-300ERに導入したファーストクラスの新シートを紹介する客室乗務員=10月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
ファーストのシート配列は1-2-1。シートピッチは67インチ(170センチ)、座席幅が35インチ(90センチ)、フルフラットベッドとなり、ベッドの長さは82インチ(203センチ)。個人モニターは24インチで解像度1920 x 1080、AC電源やUSBポート、外部入力ポート、HDMIポートを各席に用意した。リモコンはタッチパネルを備える。

ファースト新シートに備えられたリモコンを手にする客室乗務員=10月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
デザインはBMWグループの子会社デザインワークスUSA社が担当。製造はジャムコ(7408)の子会社ジャムコ・アメリカが手掛ける。
モダンで温かみがある個人空間を目指した。シートは背もたれが後ろに倒れないシェル型を採用し、流線形のサイドパネルを配したことで、個人空間を保った。ベッドの長さは80インチから2インチ伸ばし、旅客機では屈指のゆとりを持たせた。
人間工学に基づいた形状のクッションや、調節可能な