全日本空輸(ANA/NH)などを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は2月15日、2030年に向けた新経営ビジョン「ワクワクで満たされる世界を」を、新中期経営戦略とともに発表した。
ANAHDが経営ビジョンを刷新するのは、ホールディングス制に移行した2013年4月以来10年ぶり。航空を中核事業としつつ、「世界中のヒト・モノ・コトの新たな出会いやつながりを創出」し、航空事業から次世代モビリティ、非日常から日常、リアルからバーチャルへと領域拡大を目指すという。また、オープンイノベーションで国や企業を越えてグループ内外の知識や技術をつなぐ。
社員を「価値創造の源泉」として、成長とウェルビーイング(心身の健康・幸福)を実現し、グループ全体の商品やサービスを通じて、利用者の人生をより豊かにするという。また、社会から真に必要とされる存在として、環境など社会課題の解決に取り組む。
ANAHDは、2023-2025年度の新中期経営戦略を同時に発表。最終年度となる2025年度は売上高2兆3200億円、営業利益2000億円、純利益1220億円、営業利益率8.6%を目標に掲げた。このうちノンエア(非航空)事業は売上高のうち6610億円、営業益は310億円を目指す。
2025年度の目標として従業員満足度は「平均スコア4.03」とし、2022年度より0.07ポイント上昇を目指す。ANAブランドの稼働人員は2万9000人体制が目標値で、約3万6000人だった2020年度から7000人削減し、生産性向上を図る。
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全日本空輸
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