米国防総省は現地時間2月11日(日本時間12日)、カナダ領空を侵犯した未確認物体について、バイデン大統領とカナダのトルドー首相が電話会談後、両国が共同運営する防衛組織「NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)」の戦闘機が撃墜することを承認したことを明らかにした。
NORADは、高高度を滞空する“物体”を10日夜遅くにアラスカ上空で探知。アラスカ州エルメンドルフ・リチャードソン統合基地のF-22戦闘機2機が、アラスカ州空軍の給油機による支援を受け、米国領空上で監視を続けた。11日に物体がカナダ領空に入った後も監視を続け、カナダ空軍のCF-18戦闘機とCP-140哨戒機が編隊に加わり、物体の評価を行った。
中国の偵察気球を含むと、両国が“物体”と呼ぶものをF-22が撃墜したのは3回目。今回もF-22がAIM-9X「サイドワインダー」ミサイルで撃墜した。4日にサウスカロライナ州沖で中国の偵察気球を撃墜し、10日(日本時間11日)にもアラスカ上空の高度4万フィート(1万2192メートル)を飛行する所有者不明の物体を撃墜した。正体不明の物体を撃墜を許可した理由として、民間航空機の安全に支障が出ることを挙げている。
11日に撃墜した物体については、カナダ軍が残骸を回収して分析する。国防総省によると、FBI(米国連邦捜査局)とカナダ警察が緊密に連携していくという。
関連リンク
U.S. Department of Defense
U.S. Air Force
Joint Base Elmendorf-Richardson
・カナダ領空侵犯の物体、F-22が撃墜 トルドー首相が発表(23年2月12日)
・米空軍のF-22、アラスカ上空で”物体”撃墜 NSC「誰のものかわからない」大統領が命令(23年2月11日)
・中国の偵察気球、F-22が撃墜 サイドワインダーで(23年2月5日)