政府の新型コロナウイルス感染症対策本部は2月10日、マスク着用を個人の判断に委ねることを基本とする指針を示した。これを受け、全日本空輸(ANA/NH)や日本航空(JAL/JL、9201)など国内の航空各社が加盟する業界団体「定期航空協会(定航協)」も、機内などでのマスク着用は政府の「基本的対処方針」に基づいて見直しを進め、早ければ方針が示す3月13日から適用する見通し。
対策本部によると、マスク着用の考え方の見直しは、国民への周知期間や各業界団体・事業者の準備期間などを考慮して3月13日から、学校は4月1日から適用する。
一方、着用が効果的な高齢者など重症化リスクが高い人への感染を防ぐため、医療機関の受診時、混雑した電車やバスなどは着用を推奨する。電車やバスの対応は当面の取り扱いとしており、おおむね全員が着席できる新幹線や通勤ライナー、高速バス、貸切バスなどは対象外で、マスク着用は個人の判断に委ねる。
国土交通省によると、公共交通機関のうち航空機とタクシー、船は着用推奨の対象外だという。
定航協は6日に、機内でのマスク着用は政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」に沿った対応を進めていくとのコメントを発表。この時点では、5月8日に予定されているコロナの5類移行後が方針に基づく見直し時期だったが、3月に前倒しとなる。
定航協は国内19社が加盟する業界団体。会長はANAの井上慎一社長、理事はJALの赤坂祐二社長が務めている。
関連リンク
新型コロナウイルス感染症対策本部(首相官邸)
マスクの着用について(厚労省)
定期航空協会
・機内のマスク着用「個人に委ねる」定航協、5類移行後(23年2月6日)
・IATA事務総長、マスク着用「必要ないと思う」 機内だけは「意味ない」(22年12月8日)
・IATA事務総長、水際強化「感染ピークに大差なし」 科学的根拠ある対策求める(23年1月5日)