全日本空輸(ANA/NH)や日本航空(JAL/JL、9201)など国内の航空各社が加盟する業界団体「定期航空協会(定航協)」は2月6日、機内でのマスク着用について、コロナの5類移行後は個人の判断に委ねることを基本とする、政府方針に沿った対応を進めていくとのコメントを発表した。
厚生労働省は現在、屋外でマスク着用は原則不要、屋内は距離を確保できて会話をほとんどしない場合は不要としている。すでに海外の航空会社は乗客の判断に任せており、米国内や欧州域内の発着便で大半の乗客はマスクを着けていないが、日本発着の国際線は日本政府の方針に基づいて着用を要請している。
定航協は、加盟社の社長が参加した意見交換会を6日に開催。会合ではコロナの5類移行について「国内外の往来や経済の活性化に繋がる」とし、歓迎の意見が多く出たという。また、機内でのマスク着用についても意見交換し、政府方針に合わせて個人の判断に委ねるとした。
政府は現在「2類相当」としている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を、5月8日からはインフルエンザ並みの「5類」へ移行させる。内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長:岸田文雄首相)は、コロナを「5類」に位置付けると1月27日に決定。屋内では基本的にマスクの着用を推奨するとしている現在の取扱いを改め、着用を個人の判断に委ねることを基本として検討する、としている。今回の定航協のコメントは、これを受けたもの。
定航協は国内19社が加盟する業界団体で、会長はANAの井上慎一社長、理事はJALの赤坂祐二社長が務めている。
関連リンク
マスクの着用について(厚労省)
定期航空協会
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