ANAホールディングス(ANAHD、9202)は1月17日、傘下のLCCであるピーチ・アビエーション(APJ/MM)が関西-バンコク線を3月26日開始の夏ダイヤから週7往復のデイリー運航に増便すると発表した。政府の水際対策の見直しにより、インバウンド(訪日客)需要を取り込む方針で、国内・国際を問わず収益性が見込める路線に注力する。
ピーチは同社初の中距離国際線となる関西-バンコク線を2022年12月27日に週6往復で開設。3年ぶりの国際線新路線で、シートピッチが既存機より広い最新機材エアバスA321LR(1クラス218席)を投入している。その他の国際線も、運航計画が固まり次第発表する予定で、収益性の高い国際線を拡大し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で痛んだ経営基盤を旺盛な訪日需要の取り組みで立て直しを進める。
ピーチは2020年以降、コロナの影響により当初予定していた国際線の就航計画を後ろ倒しすることで、早期回復が見込める国内線に人員や機材を充ててきた。今後は国際線の新路線開設を加速させ、その後は国内線により訪日客が全国各地を周遊できるようにする。
一方、夏ダイヤでは国内線の運航を見直し、成田-女満別、釧路、長崎の3路線を運休。関西-長崎、宮崎、鹿児島、奄美、福岡-那覇、仙台-札幌(新千歳)の6路線は減便するが、関西-新潟線など需要開拓が進む地方路線は便数を維持し、地元と連携して誘客を進めて地域活性化を図る。
このうち、新潟県は2018年の就航以降、コロナの中でも新潟名産の食品をテーマにしたピーチと共同のオンラインイベントを2022年2月に初開催するなど、関西地域から誘客するキャンペーンなどを展開。地道な努力が実を結びつつある。県の大阪事務所によると、運営する大阪・梅田のアンテナショップ「新潟をこめ」の来店者も若年層がここ数年で増えており、県を訪れる観光客の増加につながってきているという。
関連リンク
ピーチ・アビエーション
新潟をこめ
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