ユーグレナ(2931)は、政府専用機B-777が1月9日に羽田空港からパリへ向かう際、同社が製造・販売する国産の代替航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)」である「サステオ」を供給した。
政府専用機にSAFが使用されたのは今回で2回目。前回2022年11月の運航時も、国産SAFであるサステオが使われた。使用量は2回とも同じで、正副2機のB-777(80-1111、80-1112)に1回あたり計5キロリットル給油された。
今回使用されたサステオは、原料に使用済み食用油と微細藻類ユーグレナから抽出されたユーグレナ油脂などを使用。従来の石油由来ジェット燃料と混合したもので、国際規格「ASTM D7566」に準拠している。燃料の燃焼段階ではCO2(二酸化炭素)を排出するが、使用済み食用油の原材料である植物とユーグレナは、ともに成長過程で光合成によりCO2を吸収するため、SAF使用時のCO2排出量が実質ゼロになることから、カーボンニュートラル(CO2排出量実質ゼロ)実現に貢献すると期待されている。
ユーグレナは、2018年11月にバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを竣工。2021年3月にバイオジェット燃料が完成した。サステオを使ったフライトは2021年6月に実現し、今回で12回目となった。
B-777
・空自、政府専用機にSAF使用 羽田からパリで
・政府専用機、SAFを初使用 羽田からプノンペン(22年11月15日)
SAF
・JAL赤坂社長「SAFは日本が鍵」24年に国産化視野、ワンワールドで共同調達(23年1月2日)
・ANAやJALら、国産SAF実用化へ「ACT FOR SKY」設立(22年3月2日)
ユーグレナ
・ユーグレナ、自社バイオ燃料で初フライト 国交省の飛行検査機CJ4で(21年6月7日)
・ユーグレナ、ミドリムシ由来のバイオ航空燃料完成 年内のフライト目指す(21年3月15日)
・ユーグレナ出雲社長「日本はバイオ燃料後進国」 実証プラント竣工、ミドリムシで有償フライト実現へ(18年11月5日)
・ユーグレナとANA、20年までに国産バイオ燃料 ミドリムシで飛行機飛ばす(15年12月2日)