前回のつづき。日本航空(JAL/JL、9201)の客室乗務員で、「ふるさとアンバサダー」として奄美に移住した持木絹代さんをサポートするのが、JAL鹿児島支店奄美営業所の栄正行所長だ。奄美大島出身の栄さんは「山を一つ越えるだけで文化が違うんです。島内では集落のことを“島”と呼んでいて、山を越えた交流は昔は盛んではなかったんですよ」と、自然だけでなく、住む人の考え方や文化、お酒の飲み方なども多様性があるという。
観光の起爆剤になる世界自然遺産への登録に対する奄美の取り組みや、台風が来ると物流が止まってしまう離島の課題解決に向けたプロジェクトなどを聞いた。
—記事の概要—
・自然保護ルールを地元で考える
・ドローンで災害対策
(1)JAL移住CA「台風が来ると会えない人もいます」
自然保護ルールを地元で考える
奄美出身の栄さんは、「船と飛行機でしか島から出られないので、島の中は助け合いです。お金のやり取りではなく、農作業を手伝うとか、おいしい食べ物があればちょっと食べてごらん、とか」と、かつては日本のあちこちで見られた地域の共生が、島という特性もあり今も色濃く残っている指摘する。
海や山、クロウサギのような希少生物と、奄美は自然の宝庫。名産の大島紬や、名物の鶏飯(けいはん)など、一度訪れると魅力あるものがたくさんある島だ。しかし、「人口のピークは60数年前で奄美群島全体
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