日本航空(JAL、9201)は10月4日、全日本空輸(ANA)を傘下に持つANAホールディングス(9202)へ傾斜配分された羽田空港国際線の発着枠について、配分の見直しを求める文書を国土交通省へ提出したと発表した。併せて配分決定の経緯の説明と議事録など文書の提出を求めた。
国交省は2日に、2014年春に増枠される羽田の午前6時から午後11時までの昼間発着枠を、ANAに11枠、JALに5枠配分。経営再建を経て、JALとANAの競争環境に歪みが生じたとする、ANAの主張に沿った配分となった。
監督官庁である国交省に対し、航空会社が是正を求める措置は異例。会見した植木義晴社長は、均等配分との比較で「売上高が年間300億円、利益は60億円のマイナス要因となる」として、中期経営計画に影響が及ぶとの見方を示した。
国交省は今回、JALの新路線開設に制限を設ける考えを付け足した。現在JALが羽田から就航していない、ドイツの全2枠とベトナム、インドネシア、フィリピン、カナダの各1枠はすべてANAに配分しており、新規路線を認めない新条件に合わせた配分となった。
JALの新路線開設について「抑制的に判断する」とした、国交省の新たな制限について、植木社長は「抑制的という表現は、中期経営計画の期間中にかかっていると理解しているが、断言できないのではないか」と警戒感を示した。
また、ANAとの競争環境の格差是正手段として、羽田の発着枠が用いられたことについては、「恒久的な枠という手法を使うのが正しいのかを聞いてみたい」と述べた。
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